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大林宣彦監督、生涯功労賞をイタリアの極東映画祭で受賞!

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記念の像にキスをする大林宣彦監督
記念の像にキスをする大林宣彦監督

 イタリアで開催中の第18回ウディネ・ファーイースト映画祭で25日(現地時間)、大林宣彦監督がゴールデン・マルベリー賞(生涯功労賞)を受賞した。大林監督は記念の像にキスをすると、「今回、この映画祭では僕の40年前の映画が4本も上映されました。この賞を励みに、これからの40年も頑張りたいと思います」とやむことのない映画作りへの意欲を明かし、会場から大きな拍手を浴びた。

【写真】大林宣彦監督、解放記念日のパレードに参加

 今回同映画祭では、「BEYOND GODZILLA: ALTERNATIVE FUTURES AND FANTASIES IN JAPANESE CINEMA」(「ゴジラの向こう側: 日本映画におけるオルタナティブとファンタジー」)と題した特集上映が企画された。“日本SF映画のグランドマスター”として紹介された大林監督は、商業映画デビュー作の『HOUSE ハウス』(1977)など初期作品4本を上映。それに伴い映画祭は、大手企業に属することなく自由な発想で野心的な作品を作り続けてきた大林監督の功績をたたえて、同賞を授けた。昨年は、音楽家・久石譲が特別功労賞を受賞し、満席となった1,200人の観客を前にスペシャルコンサートを行っていた。

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 はからずも同日は、第二次世界大戦でドイツ軍に占領されていたイタリアが解放された日を記念した「解放記念日」にあたり、同市でもパレードとセレモニーが開催されていた。パレードを見学した大林監督は、同世代が杖をつきながら行進している姿を見て、いてもたってもいられず飛び入り参加。熟年女性と肩を抱き合いながら、互いに片言の英語で「平和な日が来てよかったね」と話していたという。

 大林監督は、ウディネでの思わぬ体験にスピーチでも戦争への思いが溢れた。「素晴らしい賞を頂く日に解放式典に参加できた。偶然ですけど、(雲の)上の人が僕に与えてくれた必然だと思っています。戦争を体験した老人としては今日の平和がとても嬉しく、涙が出ました。戦争を知っている僕らが、戦争を知らない世代に大切なことを伝えるのが僕の映画作りです。パレードに参加しながら、あぁ、映画を作ってきた僕の人生がここにあったなと思いました」と感慨深げに語った。

 また会場では、大林監督の妻でプロデューサーの大林恭子、娘で『HOUSE ハウス』の原案者でもある大林千茱萸、その夫で漫画家・森泉岳土のほか、現地入りしている映画『バクマン。』の大根仁監督、『ロマンス』のタナダユキ監督、『ヒメアノ~ル』の吉田恵輔監督と主演の森田剛らがセレモニーを見守った。

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 大林監督は壇上で彼らを紹介すると、「映画はいつでも、若い人たちが平和な未来を作るために、作るものです。今回の映画祭でも、僕の息子や孫のような世代の若いディレクターがたくさんいて、彼らの作品を温かく迎えてくれたことを嬉しく思います。皆さんの拍手を受けて、どんなに彼らの励みになったことでしょう。この映画祭を育てているのは会場の皆さんです。皆さんに心からの尊敬を捧げます」とコメントし、大林監督お馴染みの「アイ・ラブ・ユー」サインを手で作りつつ感謝を伝えた。(取材・文:中山治美)

「BEYOND GODZILLA: ALTERNATIVE FUTURES AND FANTASIES IN JAPANESE CINEMA」の上映作品は以下の通り。

本多猪四郎監督作『地球防衛軍』(1957)
本多猪四郎監督作『マタンゴ』(1963)
本多猪四郎監督作『怪獣大戦争』(1965)
本多猪四郎監督作『緯度0大作戦』(1969)
岡本喜八監督作『ブルークリスマス』(1978)
大林宣彦監督作『HOUSE ハウス』(1977)
大林宣彦監督作『ねらわれた学園』(1981)
大林宣彦監督作『転校生』(1982)
大林宣彦監督作『時をかける少女』(1983)
金子修介監督作『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999)

第18回ウディネ・ファーイースト映画祭は4月30日(現地時間)まで開催中

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