『カサブランカ』最後の女優が死去
第16回アカデミー賞で作品賞を受賞した1942年の映画『カサブランカ』にクレジットされたキャストの中で唯一存命の人物として知られていた女優、マドレーヌ・ルボーさんが亡くなったと The Hollywood Reporter が報じた。92歳だった。
マドレーヌさんは大腿(だいたい)骨骨折に伴う合併症により、現地時間1日にスペインで亡くなったとのこと。義理の息子であり映画監督のカルロ・アルベルト・ピネッリが語ったという。
ドイツ支配下にあったフランス領モロッコ・カサブランカから渡米しようとする人々が描かれている『カサブランカ』で、主人公リック(ハンフリー・ボガートさん)に振られる女性イボンヌを演じたマドレーヌさん。同作に重なるように彼女自身も、出演当時夫だったマルセル・ダリオさんとドイツ占領下のフランスを脱出した経験がある。
マドレーヌさんは『カサブランカ』への出演後マルセルさんと離婚し、フェデリコ・フェリーニ監督の『道』『8 1/2』などの脚本を担当したイタリア人脚本家のトゥリオ・ピネッリさんと結婚。映画『殿方ご免遊ばせ』や『8 1/2』などに出演した。(編集部・井本早紀)