黒人ハーマイオニー差別にJ・K・ローリング大激怒
「ハリー・ポッター」シリーズの初の舞台化作品「Harry Potter and the Cursed Child」(ハリー・ポッターと呪われた子供)で、ハーマイオニー役を務めるアフリカ系女優ノーマ・ドゥメズウェニへの人種差別的な声に、ついに原作者であり舞台の脚本を手掛けているJ・K・ローリングが激怒した。
「ハリポタ」シリーズの第8作として、前作から19年後のハリーたちを描く舞台版「ハリポタ」。先日から公式TwitterやInstagramなどを通して、中年になったハリー・ポッターや、息子に寄り添うドラコ・マルフォイなど原作屈指の人気キャラクターたちの姿をぞくぞくとお披露目し話題をもたらしているが、ハリーの親友であるハーマイオニー・グレンジャーの写真が公開されると、「すてきね」「待ちきれなくなっちゃう!」と喜ぶファンの一方で、「こんなのハーマイオニーじゃない」「どうしてハーマイオニーを黒人にしたの?」「ハーマイオニーは黒人じゃない」という否定的なコメントが各SNSに多数寄せられていた。
原作ではハーマイオニーの人種や肌の色には触れられてはいない。またローリングもTwitterで「設定:茶色い目、くせっ毛、とっても賢い。白い肌なんて明示したことはないわ。ローリングはブラックのハーマイオニーが好きよ」とつぶやいていた。なのにもかかわらず、SNS上で黒人のハーマイオニーは受け入れられないという声が上がり続けている状況に、ローリングは立腹。The Observer のインタビューで「これまでにソーシャルメディアを使ってきたけど、おバカな人はおバカなことをするものね」と非難すると、「なぜ彼らはそういうことを言えるのかしら? それが世の常なのかしら。ノーマは最高の女優だったから選ばれたのに」とノーマを擁護した。
また「多くの人種差別主義者が、わたしにハーマイオニーが『白人になった』理由を言ってきたわ。彼女はショックのあまり顔から色がなくなってしまったんですって。だから彼女は白人でならなければならないのだと」と話したローリングは、「本当に理解に苦しむわ」とあきれかえっている様子。続けて「でももうあまり興奮しすぎないようにすることにした。わたしはシンプルかつはっきりと言うわ。ハーマイオニーは黒人女性になりうる存在だし、わたしは非常に感激して祝福しているってね」と明かしている。
今年7月にイギリスでプレミア公演を迎える同舞台のチケットは、発売されてから24時間で17万5,000枚の販売枚数を記録。今年一番の注目舞台として挙げているメディアも数多い。(編集部・井本早紀)