渡辺謙、“娘”宮崎あおいに「幸せなって」とエール!
俳優の渡辺謙が11日、六本木のザ・リッツ・カールトン東京で行われた映画『怒り』完成報告会見に来場、同作で共演した宮崎あおいに「この人には幸せになってほしいんですよ」とエールを送った。
深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞するなど、高い評価を受けた映画『悪人』のスタッフ(原作者・吉田修一、監督・李相日、プロデューサー・川村元気)が再集結した本作。現場に「怒」という血文字が残った未解決殺人事件から1年後の千葉、東京、沖縄を舞台に3つのストーリーが紡がれる群像劇だ。壇上に立った渡辺は「日本を代表する豪華キャストという作品が今年はいくつかありまして。日本を代表するかどうかは別にして、すばらしい俳優たちが魂をぶつけ合うそういう映画になったと思います」と晴れやかな表情を見せる。
本作で宮崎は、風俗店での無理な仕事に疲れ果てて渡辺ふんする父親に故郷の千葉に連れ戻される女性・愛子を演じている。そんなハードな役に挑んだ宮崎について渡辺は「今までやられていた役からもうひとつ、違う世界に踏み込むんだという思いを感じましたし、先輩としてはそれを見届けるのが楽しみだなと思っていました」としみじみ話す。
決して口数が多い方ではないという宮崎を「この人はマジメなんですよね。役にもストイックに向き合うので、現場でも1人でポツンと離れたりするんですよ」と評す渡辺は、撮影現場で宮崎を引っ張って世間話をしたと明かし、「無理して話をしなくていいから少しだけでも心を開く瞬間があったらいいなと思って。彼女が向かおうとしているところや悩んでいることなどいろんな話もできて、そういう感じで距離感を縮めて、ここにいるのが当たり前という関係性が築けたのがよかった」と振り返った。
続けて渡辺から「面倒くさかった?」と水を向けられた宮崎は、「とんでもない!」と笑顔を見せ、「一緒にいることがすごく自然に感じていましたし、2週間しかなかったのが信じられないくらいに濃い時間を共有できました。渡辺さんはみんなに愛されていて、この人についていきたいと思わせる何かがあって……。それを間近に感じられたのは宝物だと思います」とコメント。渡辺は「彼女には本当に幸せになってほしいからね」と宮崎にエールを送っていた。
この日の会見には2人のほか、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、佐久本宝、ピエール瀧、三浦貴大、高畑充希、原日出子、妻夫木聡らも登場した。(取材・文:壬生智裕)
映画『怒り』は9月17日より全国公開