庵野秀明、エヴァファンに謝罪!『ゴジラ』完成報告で
『エヴァンゲリオン』シリーズなどの庵野秀明が総監督を務める映画『シン・ゴジラ』の完成報告会見が19日、品川プリンスホテルで行われ、庵野が「エヴァのファンには本当にお待たせして。謝りたい」と『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』の製作が遅れていることについて、エヴァファンに謝罪をする一幕があった。この日は長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、エグゼクティブプロデューサーの山内章弘も来場した。
2004年の『ゴジラ FINAL WARS』以来、およそ12年ぶりの日本発『ゴジラ』となる本作。『エヴァンゲリオン』シリーズの庵野と『進撃の巨人』の樋口真嗣がタッグを組み、ゴジラシリーズとしては初のフルCGで製作された最新作となる。ようやく本編が完成したということで行われた本会見に登壇した庵野は「最初に謝っておきたいことがありまして」と切り出すと、「本当に今、エヴァのファンにはお待たせしております。本当に申し訳ない。こうしないとダメだったので。でもその分、こっちも頑張ってやりましたのでお許しくださいとは言いませんが、ゴジラファン、特撮ファン、日本映画好きな方には、少しでもご満足いただけるようなものになったのではないかと思います」と謝罪を交えつつも、本作への自信をうかがわせる。
さらに「『エヴァ』というのは僕自身の魂としか言いようがなく。新劇場版3本連続で、削りきってしまって。何も作れるようなものがなくなってしまった。本当はもう少し残すつもりだったんですが、次のことを考えずに1試合完全燃焼で。まずは立ち上がるところから始めないと次の作品を作れないところまで追い詰められてきました」と付け加えた庵野は、「そんな時に東宝さんからこのお話をいただいて、僕自身が救われています。そのおかげでここにいられますし、これから『エヴァ』も作ることができると思います。ただお待たせしているのは事実なので、それは深くおわびします」と言いながら頭を下げた。
そんな庵野だが、山内によると「最初から(本作について)快諾していただいたわけではない」という。「怪獣映画のすばらしさと完成度は、最初の『ゴジラ』に集約されていると思う。お断りした理由は、怪獣映画はあれがあれば十分じゃないかと思ったから。でも引き受けた以上は、あの衝撃にわずかでいいから近づけたいと思って。それならば最初の『ゴジラ』と同じ設定で、怪獣がいない世界に初めてゴジラが現れるという設定で脚本を書こうと思いました」とオファーを受けた当時を振り返る庵野は、「怪獣が出てくる映画の面白いところは、現代の社会に異物というか、違うものが現れる面白さですから」と魅力を語っていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『シン・ゴジラ』は7月29日より全国東宝系にて公開