真田広之、海外ドラマ「ザ・ラストシップ」で鍵握る日本人役!
日本を代表する名優・真田広之が、6月19日から全米で放送がスタートしたドラマ「ザ・ラストシップ」シーズン3にメインゲストとして出演している。ウィリアム・ブリンクリーの人気小説をアクション映画の巨匠マイケル・ベイがドラマ化した作品で真田は、物語の鍵を握る日本人を怪演している。
「ザ・ラストシップ」は、伝染病が蔓延して人類が絶滅の危機を迎えている中、ウィルスから逃れたアメリカ海軍の駆逐艦ネイサン・ジェームズとその乗組員たちが、秩序が崩壊した世の中で人々を救うために活躍するというアクション・ドラマ。主役のチャンドラー艦長を人気医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」のエリック・デインが熱演している。シーズン3の3話目から登場し、アジアで活動するネイサン・ジェームズの乗組員を拉致してアジアからのアメリカの撤退を促す伝説の海賊のリーダーを演じる真田が、このシリーズに出演することになった経緯や見所などを語った。
「このシリーズのプロデューサーでもあるデインと以前仕事をしたことがあったんです」と話し始めた真田は「シーズン3のメインゲストとして日本人が出ることになり、『地球上でこの役をやれるのは君しかいない』と彼から言われ、去年の夏にオファーをもらいました」と出演に至った経緯を明かす。「ゲストですが13話中9話に登場するとてもユニークな役」と自身の役がらについて説明し、「主人公たちの最強の敵なんですが、彼が海賊になった理由が明かされたり、シリーズが進むにつれてダイナミックに変化する役どころに惹かれました」と続けた。
アメリカ軍と関係の深いベイ監督が手がける作品ということもあり、アメリカ海軍全面協力による迫力のある映像が魅力の1つである本ドラマ。TVシリーズとは思えない大規模な撮影について真田は「サンディエゴの基地で、実際の駆逐艦を使って撮影しました。本物の海軍の人たちを大勢エキストラで出演させたり、スケールの大きさに驚きました」と語る。また、「今回、銃のアクションがあるのですが本当のマシンガンをぶっ放すんです。空砲とはいえ本物を使うので銃の訓練を受けました。そういったシーンでは芝居というより、男の子に戻ってましたね」と笑った。
今シリーズの前半で大きな見どころとなっているのが、スタンリー・キューブリックの傑作『フルメタル・ジャケット』やジョス・ウェドン監督のカルト作『セレニティー』で知られるアダム・ボールドウィンが演じるスラッタリー副長と真田の絡み。数々の名作映画やドラマに出演してきたアダムを真田は、「人間的にも懐の深い穏やかなプロ」と評す。「エリックが花形で引っ張っていくポジションだとしたら、彼はキャッチャーとしてしっかり安全面からクオリティーまで、全体を見ながら番組を引っ張っているんです。彼のこのキャッチャー的存在に感動しました」と話し、「銃の扱い方もさりげなくアドバイスしてくれたり、物語の中では敵対していますけど彼とはいい信頼関係が生まれました。今回アダムと一番どっぷり芝居で絡むことが出来たのは大きな収穫でしたね」と撮影を振り返った。
ハリウッドの映画界とテレビ界の両方で確実に実力を認められ、第一線で活躍し続けている真田広之。現在は、今最も旬な俳優ライアン・レイノルズとジェイク・ギレンホールの新作映画『ライフ(原題)/LIFE』のロンドンでの撮影に参加している。(取材・文:細谷佳史)