土屋太鳳、なぜ体育大に進学?女優と両立を選んだワケ
NHK連続テレビ小説「まれ」でブレイクした女優の土屋太鳳(21)が、初心者ながら名門吹奏楽部に入り、トランペットに没頭するヒロインを演じた映画『青空エール』が20日に公開される。自身も幼い頃から日本舞踊などを習い、現在も日本女子体育大学に在籍するという経歴を持つ土屋。彼女はなぜ女優業を続けながら、体育大に通う道を選んだのだろうか。
3歳からクラシックバレエと日本舞踊を習い始めた土屋だが、「同時に陸上のクラブにも通っていたので、踊りに深くのめりこんでいたわけではないんです。一緒に習っていた姉や弟は日本舞踊の大会で賞をとったりしていましたが、私はいつも次点でしたし」と苦笑い。そんな彼女が表現することの面白さに目覚めたのは小学校4年生のときだという。
「学校で“劇の会”という学芸会のようなものがあって、そこで酔っ払い役をやったんです(笑)。酔って歌を歌うというシーンで、ただフラフラしているだけでは酔っているように見えないなと思い、ペットボトルでとっくりを作り、ネクタイを頭に巻いて演じました」というから、その伝えるための工夫は当時からかなり凝っていた。そのときに演じることの喜びに目覚めたそうで、「自分には人に伝える何かがあるのかな? と思ったんですよね」と女優への夢が歩き出したことを明かす。
そうして高校生のとき、全国レベルの実力を誇る創作ダンス部に入部してコンテンポラリーダンスと出会う。先日、ある洋楽アーティストの日本版ミュージックビデオで見せたダンスが「うますぎる」と大きな話題を呼んだが、その道のプロを目指したことはないという。「お芝居をする上で役立つかなと思いました。自分を表現するもう一つの方法として」というから、まずは演じることが彼女の心を深く捉えたのは確か。
高校3年生で進路を考えるときも、演技がそれから先もずっと自身の心を捉え続けるという確信は揺るがなかったようで、「理論として表現を学ぶか、実際に動いて表現を学ぶか?」と考えて後者を選び、日本女子体育大学で舞踊学を専攻する。これと思うことと出会ったら1ミリも揺るがない姿は、まるで『青空エール』で演じたつばさそのものだ。
そんなふうに3歳から学んだダンスは女優業へ確実にプラスになっているよう。「映像で顔のアップだと、顔だけに力を入れることも必要かもしれません。でも大事なのは体全体で気持ちを伝えること。その結果、顔で何かが表現できていれば良くて、過程が大事だと思ってやっています」と日々ダンスで学んだことを演技に活かそうとしている。そんな彼女は女優として目指すところも明確にあるようで、「種にお水を注ぐように、表現へ愛情を注げるような女優さんになれたらいいなと思っています」と瞳を輝かせた。(取材・文/浅見祥子)
映画『青空エール』は8月20日より全国公開