大胆な濡れ場に挑んだ影響…私生活も危ないモードに
瀬戸内寂聴の同名小説を映画化した『花芯』のトークショーが20日に都内で行われ、主演の村川絵梨、安藤尋監督が登壇。肉体の悦びに目覚め、子宮の命ずるままに生きる主人公・園子役として、林遣都、安藤政信、落合モトキらと大胆な濡れ場に挑んだ村川は、プライベートも園子モードになって危険な状態になったことを告白した。
本作は、発表当時「子宮作家」と批判を浴びた寂聴の鮮烈な恋愛文学の映画化。親が決めた許嫁(林)と結婚し息子をもうけながらも夫の上司(安藤)に恋をし、世間の常識に背を向けつつ愛欲と子宮の叫びに抗わずに生きる園子(村川)の姿を描く。
オファーを受けたときを振り返り、「主演でやらせていただけることはなかなかないですし、瀬戸内寂聴さんにはすごくかっこいいイメージで女性として憧れもあるので、そういう力を持った作品の主演をやらせてもらえるなんてうれしかったです」と語った村川。「セリフが少なくて静寂の間も多く、男性と絡み合うシーンもしたことがなかったので、自分がどこまでできるだろう」と不安もあったそうだが、以前から知っている安藤監督だからこそ「大丈夫!」と確信をもって未知の世界に飛び込んだという。そんなこれまでにない刺激的な役柄は私生活の彼女自身にも色濃く反映されたようで、「この作品をやらせてもらうと決めた瞬間から、モードが園子になっていて危なかったです」とはにかんだ。
また、共演の林については「真面目で、ずっと喫煙所で監督のそばで話している印象」と吐露。撮影期間は互いに話もしないほど、役に没頭していたとか。一方の安藤に対しては「ふぁ~と来て、音楽ぶわぁ~とかけて、フランスから来たのかなという自由さがありました」とにっこり。対照的な二人との共演を楽しんだことをうかがわせた。
村川は寂聴との対面も果たしており、「(鑑賞後は)すごく喜んでくださっていた」と安堵の表情を見せる。原作にまつわる話を1時間ほど聞いた際には、当時自分を批判した作家や評論家の名前がフルネームで出ることもあり、村川は「50年前の話なのに、すごく憎んでいたんだな……」と思ったと同時に、「聞いていいのかな?」とたじろいだことも明かし、会場の笑いを誘っていた。(取材/錦怜那)
映画『花芯』は全国公開中