オダギリジョーと蒼井優が10年ぶりに雪解け
壊れかけた男と危うい女の愛を見つめた映画『オーバー・フェンス』で、約10年ぶりに共演を果たしたオダギリジョーと蒼井優が、互いに「嫌われている」と思い込んでいた10年分の誤解を解き、めでたく雪解けしたことを明かした。
2007年に公開された主演作『蟲師』で蒼井と初顔合わせとなったオダギリは、「控室で二人きりになったとき、半パニックみたいな状況になりました。そもそも10代の女の子と何を話していいかもわからないし、下手に話しかけて『この人、怖い』と思われてもイヤで。結果的に大沈黙で終わったんですよね」と、撮影当時の余りにも不器用なエピソードを告白。しかも「蒼井さんはきっと僕のこと嫌っているだろうな」と思いながらその後の10年を過ごしてきたというから、クールな外見とのギャップがほほ笑ましい。
一方「人見知りが最も激しかった時期だった」と語る蒼井も、「オダギリさんの『どうしていいかわからない』という空気をすごく感じながら、『私もわかりません』と」完全にお手上げ状態だったことをカミングアウト。「先輩に気を遣わせてしまった」黒歴史を反省しつつ、「その後10年間、共演がないままだったので、『私のこと嫌いだろうな』って思っていました。私が相手役をやることをオダギリさんがよくOKしてくださったな」と今回の共演話がにわかには信じられず、事務所に確認したほどだそう。
そんな二人の和解の舞台は、『オーバー・フェンス』のロケ地・函館。約1か月にわたる撮影期間中、「飲んだりしゃべったりするなかで“雪解け”したというか(笑)。和解できて、本当に安心しました」と目を細め、蒼井と二人で大いに盛り上がった瞬間を振り返るオダギリ。40代を迎えて演技にますます深みが加わった彼が、蒼井や初共演の松田翔太らキャスト陣、そして同い年の山下敦弘監督とみせる化学反応に、興奮を覚えずにいられない。(取材・文:柴田メグミ)
映画『オーバー・フェンス』は9月17日よりテアトル新宿ほか全国公開