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杏、母となり心境に変化「出てくるものは変わってくる」

母となった現在の心境は? 杏 - 写真:高野広美
母となった現在の心境は? 杏 - 写真:高野広美

 高齢者ばかりのアマチュアオーケストラに勘違いで入団してしまった主人公が、おじいちゃんおばあちゃんに振り回されながらも成長していく姿を、笑いと感動を交えて描く『オケ老人!』。バイオリンを愛する数学教師の千鶴を演じたにとって、本作は産休前最後の撮影の仕事であり、産休後に人前に出る最初の仕事となった。杏が今の心境を語った。

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 「それはそれ、これはこれといいますか。この作品と、自分が休んでいたことを、直接結びつけて考えてはいません」と前置きした上で、杏は「ただ、最近よく、“1年前の今頃”について考えるんですね。1年前の今頃は、『オケ老人!』を撮ってもいなかったんだなあ、早いなあって。もちろん子どももできていなかったし。1年ってあっという間ですし、1年後がどうなるかなんて想像もつかないなあと思います」と環境の変化に思いを馳せる。

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 3年半にわたって連載したエッセイに、出産後の心境を加筆したエッセイ集「杏の気分ほろほろ」(朝日新聞出版刊)が出版されるなど、彼女は子育てをしながら自分なりのペースで仕事を続けている。今後の女優業については自分の状況との折り合いがつけば、ドラマでも映画でも、少しずつやっていきたいと意欲を見せる。

 映画初主演を果たした本作では、バイオリンの演奏や指揮にも挑戦し、コメディエンヌとしての才能を存分に発揮している。母となり、演じる役柄も変わっていくのか? という問いには、「どんな役が来るかはわかりませんが、自分の状況が変わったことで、考え方やものの見方、受け止め方が変わってきているので、同じ役を演じるにしても、子育てを経験する前と今とでは、自分から出てくるものは変わってくるような気がしています」と自己分析。母としての視点を獲得した杏が、どんな感情を役に乗せて表現するのかを、長く楽しみに見守りたい。(取材/文:須永貴子)

映画『オケ老人!』は11月11日より全国公開

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