井上和彦、後輩の演技に震える 新旧サイボーグ009が対面
第29回東京国際映画祭
「サイボーグ009」映像化50周年記念作品として製作された、完全オリジナルストーリーのフル3DCGアニメーション『CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第1章』のワールドプレミア上映が1日、東京・六本木ヒルズで行われ、主人公・島村ジョーの声を担当した河本啓佑と、1979年版のアニメ「サイボーグ009」で島村ジョーの声を務めた井上和彦が登壇し、新旧ジョー役声優ならではのエピソードを語り合った。
【写真】イベント中に語り合う新旧ジョー声優 神山健治総監督も登壇!
イベント中にサプライズでエンペラー役の井上が登場すると、客席からは大声援。井上は河本の演じた新・島村ジョーを「かっこよかった」と絶賛しつつ、「スタジオに行った時に、スタジオ中がシーンとしていて誰も僕と口をきいてくれない。すごく緊張しながらやっているんだなって。その中で彼は優しくもあり頼もしくもあり、『あ、ここにジョーがいるな』って思った」と笑顔でアフレコを振り返った。さらにその最中には「本当に頼もしい、すばらしいジョーでした。『加速装置』と言った時に震えました」とジョー役後輩の河本の演技に感心したことを明かす場面も。
一方の河本は大先輩の言葉に恐縮の表情。「井上さんが来るというお話は聞いていたんですが、『井上さん入ります』となった時に空気が張りつめて緊張してしまって」と照れ笑い。「井上さんの前でジョーを演じられるかなって。井上さんにどう思われているんだろうって」とド緊張していたことを告白すると、井上は「あたたかく見守っていましたよ」と優しい一言で迎えていた。
また、今回の島村ジョー役にただならぬ意気込みで挑んでいたという河本は、「オーディションで受かったという連絡をもらった時は僕でいいんですかと」と不安になったそう。「アフレコでは眠れない日々でした。全部撮り終わるまでほとんどの前日は眠れなかったです。全身全霊傾けて頑張りました」とコメント。そんな河本に井上は「僕も同じだった」と笑顔で声を掛けていた。
「サイボーグ009」は、漫画家・石ノ森章太郎が生んだ9人のサイボーグ戦士たちを描いた人気作。全3部作で劇場公開される新作『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』では人智を遥かに超えた異能を持つ者たち「ブレスド」に立ち向かう009たちの戦いを描く。この日は、新キャラクターのカタリーナ・カネッティ中尉の声を担当した牧野由依、神山健治総監督、柿本広大監督も登壇した。(取材・文:名鹿祥史)
『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』全3章は11月25日より順次2週間限定公開