のん、声の演技で健在アピール!今後の目標は?
映画『夕凪の街 桜の国』の原作者としても名高い、こうの史代の文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作を映画化した『この世界の片隅に』で、声優として初主演を果たしたのんが、創作活動への意欲を明かした。
『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直監督がのんをイメージして台本を執筆したというヒロインのすずの声を担当し、「天性の役者」としての健在ぶりを披露しているのん。アニメーション映画初主演を果たしたばかりだが、これからチャレンジしたい仕事について尋ねると、「創作をしていきたいです。このあいだLINEのスタンプを出しましたが、最近、曲作りも始めたんです。“創る”ということをしていきたいです」と目を輝かせながら即答し、アーティストとしての活動にも期待を抱かせる。
ヒロインのすずについて、「やっぱり、“ボーッとしている”といわれるところに共感しますね(笑)」と照れ笑いを見せたのん。おっとりしながら芯が強く、絵を描くことが大好きなヒロインは、素顔ののんと重なる。自身が絵を描くことについて「感情が沸き立ったときにガーッと描き始めるんです。きっとすずさんも同じだと思いますが、ほかのことを考えずに集中して、自分の感じていることだけを描くんです」とその時間が自分にとって大事な時間だという。
軍港の街・広島県呉市に18歳で嫁ぎ、戦火にさらされ悲劇に見舞われながらも前を向いて生きるヒロイン。役づくりについては「すずさんという人をとにかく理解したい」と考え、監督を質問攻めにするなど精いっぱい努めたという。結婚、戦争を経て成長を重ねていく青春ストーリーのヒロインを、声で演じ切ったのん。アーティストそして女優としてどんな顔を見せてくれるのか、今後も目が離せそうにない。(取材・文:柴田メグミ)
映画『この世界の片隅に』は全国公開中