「逃げ恥」空前ブームの理由を検証!
8日に放送された第5話も視聴率を更新し、今や社会現象となった“逃げ恥”こと「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系・毎週火曜よる10時)。雇用主と従業員として“契約結婚”したIT企業のサラリーマン平匡(星野源)と、元派遣社員のみくり(新垣結衣)のドッキドキの同居生活を描き、1話放送されるごとにSNSでさまざまな話題が飛び交う本作のヒットの要因を分析してみた。
1:ガッキー&星野源が「かわいい」!
何と言っても、毎週欠かさず観たくなるのは主人公カップルを演じるのが新垣結衣&星野源という「かわいい」2人だから。男性は「ガッキーかわいい」、女性は「星野源かわいい」と盛り上がれる。かっこいいでもセクシーでもなく「かわいい」がポイントで、どこかあどけなさが残る2人だからこそ、“安心”して観られる癒やし効果アリ。今夜放送の第6話では学生服も披露。ばっちり似合ってます!
2:「エヴァ」から「情熱大陸」までパロディーが満載
みくりの妄想癖を生かした遊び心あふれる小ネタ&仕掛けが、SNSで盛り上がる理由の一つ。第4話ではみくりが大学時代の恋愛のトラウマを思い返す設定で、元カレの名前が「新世紀エヴァンゲリオン」の主人公と同じ「シンジ」だったことから、音楽&テロップなど「エヴァ」っぽい演出でみくりの心情を実況中継。そのほか、アニメ「アルプスの少女ハイジ」のハイジのように丘で「教えて~おじいさーん!」と叫んだり、ドキュメンタリー番組「情熱大陸」やニュース番組「NEWS23」を思わせる凝りに凝った描写が満載。ドナルド・トランプVSヒラリー・クリントンの米大統領選開票日の8日に放送された第5話では、みくりが恋人を目指す女性議員として選挙活動を行う妄想が展開した。
3:未婚&晩婚化を背景に、結婚を「仕事」とするアイデア
中谷美紀演じる恋愛下手な独身アラフォー美容皮膚科医の決死の婚活を描いた「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」(2016・TBS系)、SMAPの香取慎吾演じる39歳の男性&上野樹里演じるバツイチ32歳OL、こじらせ男女の交流を描いた「家族ノカタチ」(2016・TBS系)と、今年も未婚&晩婚化する現代を背景にしたドラマが多くみられたが、“逃げ恥”もその路線を継ぐもの。“プロの独身”と称する35歳のきまじめなサラリーマン平匡、生涯独身で男性経験はナシという40代キャリアウーマン百合(石田ゆり子)、スーパーハイスペックイケメンの風見(大谷亮平)など、仕事もできて経済力もあり結婚に価値を見いださないキャラクターがズラリ。「結婚」を仕事と考え、双方のメリットを満たす同居生活を目指すみくりと平匡だが、居を共にしていればそう簡単には割り切れないもので……。やがて、2人の関係に気付いた風見がみくりを週1度シェアさせてほしいという提案から「シェア婚」なる用語も飛び出し、結婚のメリット&デメリットを掘り下げているところも徹底している。
4:恋ダンス、みくり飯…話題作りのうまさ
プロモーションの勝利と言っても過言ではない本作。主題歌「恋」に合わせて豪華キャストが踊る「恋ダンス」はフルバージョンの再生回数が500万回を超え、YouTubeにダンスを真似た動画をアップする視聴者が続出。一方、劇中でみくりが平匡のために作る料理が「みくり飯」として1話ごとにcookpad&公式Twitterで公開中。「男を落とすにはまず胃袋をつかめ」とよく言われるが、「みくり飯」は温もりが感じられ、一ひねりのあるメニューばかり。「アボガドとタコのジェノベーゼ風」「お花のじゃがいもピザ」「オムハヤシ弁当」「平匡直伝の瓦そば」……。時には失敗した「大根と牛肉のスープ」をカレーに早変わりさせたという、大胆なテクニックも。ちなみに、平匡の同僚でゲイの沼田(古田新太)が料理好きの設定となっており、彼が「ハートフル坊主」のネームでクックパッドに投稿するメニューを、みくりが参考にしていることもしばしば。第6話で温泉旅館の道中にみくり&津崎が食べるお弁当は、ガッキー&星野本人が食べたいものを選んだとか。
今夜放送される第6話では、恋人っぽい空気をかもし出すことに慣れてきたみくりと津崎が、百合のはからいから新婚旅行へ。訪れた温泉旅館にある“最良”のダブルベッドや女性と同じ部屋で寝たことがないという平匡が大慌てする中、みくりはかつて交際していた元カレを発見する展開となっている。(編集部・石井百合子)