福士蒼汰、大学進学あきらめ俳優業へ「仮面ライダー」当時の覚悟明かす
切ない恋を描いた映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』で、主演を務めた福士蒼汰。5年前のデビューから瞬く間にスターダムに駆け上った福士だが、大学進学をあきらめ俳優の道を選んだのには、大きな覚悟があったという。
本作は、美大生の高寿(福士)と通学電車で出会う女性・愛美(小松菜奈)の運命の恋の物語。七月隆文の小説を基に、切なくも美しいラブストーリーを三木孝浩監督が映像化した。その後の人生を左右するような運命的な出会いを経験する高寿だが、福士は自分自身の人生を変えた大きな出会いとして、デビュー当時を振り返る。
福士の俳優デビューは2011年、17歳のとき。その年に、特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」の主人公・如月弦太朗役を射止め、ドラマ初主演を果たした。「1年目でいきなり主演をやらせていただき、アクション、アフレコ、CGの撮影といった技術的なことをはじめ、イベントや、ドラマと劇場版を同時に撮影した期間の忙しさ……いろいろなことを経験できました。あの1年というのはすごく大きな出会いだったといまでも思っています」。
デビュー直後の大役。高校生だった福士には、俳優としてやっていこうという決意はまだなかったというが、「ちょうど大学受験のときだったこともあり、中途半端な気持ちで進学するのは嫌だったので、大学はあきらめました。その瞬間、この仕事一本にしようと覚悟を決めたんです」と明かし、「大学に入ったら、仕事も勉強もおろそかになる気がしたんです。いま、できることを100%やりたいと思って、仕事を選びました」とその決意を語った。
それからおよそ5年。映画にドラマにとスピードを緩めることなく常に第一線で活躍し続けている福士。来年も待機作が目白押しだ。それでもなお、「デビューした頃はいまの自分をまったくイメージしていなかったのですが、これまで走り続けてきたので、いまだに止まっていない感じがして……振り返れないんです。まだまだ走っている途中。自分は『仮面ライダー』の頃からの延長線上にいる気がします」と話す。
がむしゃらにやってきた5年間を「まだ振り返れない」とは、常に高みを目指してやってきた福士らしい言葉だ。一方で、「頑張ることは好きです。求められたら、適当にはしたくないんです。これまではただ、一生懸命だけでやってきましたが、主演を多くやらせていただくようになってからは、徐々に責任感などが出てきたなと自負しています」と実績を重ねてきた自信ものぞかせる。
「どれだけいつもと違う福士蒼汰になれるか」が勝負でもあったという『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』では、これまでとは少しイメージの異なる姿も披露。勢いに乗って、これからも走り続けていくことだろう。(取材・文:高山亜紀)
映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は12月17日公開