福山雅治、是枝監督と再タッグ!今月中旬にクランクイン
第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し、国内興行成績32億円の大ヒットを記録した『そして父になる』の福山雅治と是枝裕和監督が、タイトル未定の新作映画で再タッグを組むことが明らかになった。共演は福山と初共演、是枝組初参加となる役所広司。今月中旬にクランクインし、今年9月の公開(東宝・ギャガ共同配給)を予定している。
本作は、是枝監督がオリジナル脚本を手掛ける法廷心理サスペンス。勝利にこだわる弁護士・重盛(福山)が、やむをえず弁護を担当することになったのは、30年前にも殺人の前科がある殺人犯・三隅(役所)。解雇された工場の社長を殺し、死体に火をつけた容疑で起訴されている。
犯行も自供し、このままだと死刑はまぬがれない。初めから「負け」が決まったような裁判だったが、三隅に会うたび重盛の中で確信が揺らいでいく。三隅の動機が希薄なのだ。彼はなぜ社長を殺したのか? 本当に彼が殺したのか? 重盛の視点で絡んだ人間たちの糸を一つ一つひも解いていくと、それまで見えていた事実が次々と変容していく。
是枝監督は本作をつくるにあたり、弁護士や検事たちへの取材に加え、弁護士たちの協力のもと、実際に作品の設定通りに弁護側、検事側、裁判官、犯人、証人役に分かれて模擬裁判を実施。そこで見えてきたそれぞれの立場からのリアルな反応や言動などを脚本に反映させているという。
是枝監督と2度目のタッグ、役所と初共演となる福山は「初めてご一緒させていただく役所さんとの読み合わせは、とても緊張感のある時間でした。より深く、さらに研ぎ澄まされた是枝監督の演出に応えられるよう精一杯演じられたらと思っています」とコメント。対する役所は「準備段階での是枝監督の丁寧な映画作りの姿勢に触れ、既に緊張しています。福山さんはじめ素晴らしいキャスト皆さんとの仕事を楽しみにしています」と意気込んだ。
是枝監督は本作について「福山さんにオファーをするにあたり、近年描いてきたホームドラマに一度区切りをつけ、かねてより挑戦したいと考えていた法廷劇を選びました。そして福山さんに対峙する殺人犯役を、監督としてはある種の覚悟が必要な俳優である役所さんにお願いしました」と説明。
「弁護にあたり真実を知る必要はないと考えていた主人公が、犯人と交流していくうちに事件の真実を知りたいと思うに至る過程を描く心理劇です。役所さんの胸を借りるかたちで、福山さんをいじめ、揺さぶっていきたいと思います」とコメントを寄せている。(編集部・中山雄一朗)