“和製マイケル”三浦大知の挑戦 大躍進の1年も変わらず
1997年にFolderのメインボーカルとしてデビューし、今年でソロデビュー12周年を迎えた三浦大知(29)。「歌って踊る男性ソロアーティストは売れない」ともいわれる日本で自らのスタイルを貫き続け、その卓越した歌唱力とダンスパフォーマンスで“和製マイケル・ジャクソン”とも称されている。そんな三浦が22日に最新アルバム「HIT」のリリース。常に挑戦を続ける自身の音楽について語った。
かつて三浦と共にFolderの一員を務め、現在は女優として活躍する満島ひかりは2013年、三浦とMTVの番組で対談したときに「多くの人に受け入れられるための形ではなくて、大知の形を変えずにもっともっと多くの人に(大知を)見てほしい」と語っていたが、この1年は三浦にとってまさにそれがかなった年になった。
昨年5月「ミュージックステーション」に初出演し、冒頭30秒をアカペラで歌いながらダンサーたちと息の合ったダンスを披露したことが大きな話題に。最新シングル「EXCITE」は「仮面ライダーエグゼイド」の主題歌に起用され、デビュー20年目にして初のオリコン1位を獲得。今年1月には自身初となる国立代々木競技場第一体育館でのワンマンライブを開催。チケットは一般発売後1分でソールドアウトする人気ぶりで、自身最多となる1万2,000人を動員した。
しかし、三浦自身は「もちろん初めて出させていただくテレビ番組やイベントがたくさんあったり、そういう部分でいうとすごくありがたい1年だなと思っていますが、今年だけが特別だったわけではないんです」と至って冷静。「今まで続けてきたから、今こうしてみんなに見てもらえる機会が増えてきたんだなと思うので、続けてきて良かったなと思っています」と強調する。
その中でもあえて何が一番印象に残っているかを聞いてみると、「(Mステのアカペラダンスでも話題になった)『Cry & Fight』という曲を作れたことが一番大きかったと思います」と三浦。「自分の中で日本らしさと海外の音楽をうまく解釈して作れたと思っていて、そのパフォーマンスも皆さんにすごく楽しんでいただけたので、それを作れたのは2016年のスタートとしてすごく良かったと思います。それがあったから仮面ライダーがあったり、いろいろなことにつながったと思うので」。
昨年12月には2015年に結婚した一般女性との間に第1子男児が誕生し、プライベートでも大きな変化が訪れた。三浦は「かわいいですね」と目を細めながらも、「育児はすっごく大変なので世のお父さんお母さんというか、親ってすごいなと思います」と感心しきりだ。
一方で5年後、10年後のビジョンについては意外にも「あんまりないですね」という。それは「5年後も10年後も今と同じで歌って踊っていたいし、とにかく積み重ねが大事だと思うので。一個一個しっかり自分がやってみたいことや、チャレンジしてみたいこと、目の前のことをちゃんとやっていかないと5年後も10年後もないのかなという気がするので」という思いがあるから。
22日にリリースした1年半ぶり6枚目のニューアルバム「HIT」に収録されるリードトラック「Darkest Before Dawn」のミュージックビデオでは、事前に振り付けをせず、ただ一人即興で踊り続けることに挑戦。「全編フリー、しかも一人でやるということはなかなかなかったので、そこはすごくチャレンジでしたね」と語る三浦だが、「(即興ダンス自体は)ライブのときもちょこっとあったりするので、いつもやっていることといえばやっていることなんです」と余裕の表情。
「変わらず変わり続けたい。常にチャレンジャーとして探求し続けるというか。(自分は)まだまだっていう気持ちが強いので、まだ自分ができる可能性や、自分自身のまだまだできることを探しながら、こうやったら楽しんでもらえるんじゃないかみたいなことをいっぱい模索していけたらいいなと思っています」。(取材・文:編集部・中山雄一朗)
ニューアルバム「HIT」とライブDVD / ブルーレイ「DAICHI MIURA LIVE TOUR (RE)PLAY FINAL at 国立代々木競技場第一体育館」は発売中