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親友ジョージ・クルーニーもかつてみたことがなかったマット・デイモンの狂人役!

第74回ベネチア国際映画祭

仲良しなマット&ジョージ
仲良しなマット&ジョージ - (C)La Biennale di Venezia

 現地時間2日、第74回ベネチア国際映画祭にてジョージ・クルーニー監督作『サバービコン(原題) / Suburbicon』の記者会見が行われ、ジョージ、マット・デイモンジュリアン・ムーアらが出席。ジョージは「狂気のマット・デイモンがこの映画の面白い部分だよ。あんなにひどいマットをかつてみたことがないね」と本作の見どころとしてアピールした。

【他写真】ベネチアでも大人気!ジョージ・クルーニー

 ジョージがメガホンを取り、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が脚本を手がけた本作は、白人ばかりの閑静な街「サバービコン」でガードナー・ロッジ(マット)一家に起きたある事件をきっかけに、幸せそうに見えた家族の暗部が明らかになっていくサスペンスコメディー。

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 出演作は誰が監督するかで決めるというマットは、仲良しのジョージが監督するとあって引き受けたそう。その後になって、ジョージから「これまでの君のキャリアでやったことがない役だ」と告げられたというように、“ハリウッドきってのいい人”とも言われるマットのイメージとはかけ離れた役どころを本作で務めた。マットにはその役についての質問が続くが、「これまで幅広い役をやってきたとは思うけど、確かにこういった役はやったことがなかった」とし、同じく本映画祭に出品されている主演作『ダウンサイズ』のアレクサンダー・ペイン監督に「君は映画スターに全く見えないから好きだ」と称賛(?)されたことを明かし、「監督がどういうつもりで言ったのか、よくわかるんだ。僕はいわば、“アメリカの平均的な”男だ。だからこそ、監督たちはさまざまな役のバリエーションを僕で楽しむことができるんじゃないかな。そういう意味で僕が役に立てるならいいことだと思う」と超謙虚なマット。

 本作ではオスカー・アイザックが登場シーンこそ少ないものの、ストーリーを転換させる重要な役を務めている。1999年にコーエン兄弟が映画化しようとした際にはジョージに打診されていた役だったそうだが、出演と監督の両方をこなすことが好きではないため、演じなかったと語る。「わかると思うけど、自分を監督するのは全然面白くないんだよ。ジュリアンと一緒に演技をしながら、『カット!』とか言わなくちゃいけないなんて。だから監督作に出演はしたくないんだ。それにオスカーは素晴らしかったから、僕がそれ以上のことをできたとは思わないよ」。

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 また、ロッジ家の隣に引っ越してきたアフリカ系アメリカ人のメイヤー一家が人種差別を受けるさまが並行して描かれていくのが印象に残る。あくまでも第二次世界大戦後のアメリカで蔓延ってきた問題であると説明しながらも、「(コーエン兄弟が)1980年代に脚本を書いた時には、メイヤー一家は出てこなかったんだ。もっとコメディースリラー色が強いものだった。でも僕たちは少し笑いを抑えて、怒りを押し出す作品にしたいと思った。怒りを感じられる映画というのは、今のご時世に合っているように思う」と映画製作時には予期していなかった、排他的な発言で知られるドナルド・トランプ米大統領が誕生したことで、その変更が作品全体にも大きな意味をもたらしたようだ。さらには、「アメリカの次期大統領になりたいか?」という質問に、ジョージは「それは楽しそうだね」と笑顔。マットはすかさず、「それについて言いたいんだけど、誰でもいいから次期大統領になってほしい。今すぐにでも、お願いします!」と冗談で続け、会場を笑いに包んでいた。(編集部・石神恵美子)

第74回ベネチア国際映画祭は現地時間9月9日まで開催
映画『サバービコン(原題)』は2018年春、日本公開予定

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