本国で上映打ち切り!実在のシリアルキラー描く問題作が日本劇場初公開
1983年公開当時にオーストリアで上映禁止になった実話に基づくスリラー映画が、『アングスト/不安』の邦題で7月3日より日本で初めて劇場公開される。1980年にオーストリアで起きた殺人鬼ヴェルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を描くもので、日本ではビデオスルーとなっていた。
【写真】アーウィン・レダー出演の2003年の映画『アンダーワールド』
本作は、刑務所出所後の殺人鬼の不安やプレッシャーによる異様な行動と心理状態を斬新なカメラワークで表現。アメリカの映画サイト「Taste of Cinema」が選ぶ「史上最もダークなシリアルキラー映画」では1位を獲得した。その凄惨な内容から1983年公開当時には、本国オーストリアでは1週間で上映打ち切りになったほか、ヨーロッパでも上映禁止、イギリスとドイツではビデオの発売も禁止された。日本でも劇場公開されず『鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜』というタイトルで1988年にレンタル用VHSが発売された。それから約30年を経て、R15+指定作品として劇場公開される。
チラシビジュアルに収められた主人公の殺人鬼K.を演じるのは、『U・ボート』(1981)、『アンダーワールド』(2003)などのアーウィン・レダー。監督は、全額自費で本作を製作したジェラルド・カーゲル。音楽を元タンジェリン・ドリーム、アシュ・ラ・テンペルの作曲家クラウス・シュルツ、撮影・編集をアカデミー賞最優秀短編アニメ賞を獲得した『タンゴ』(1981)やジョン・レノン、ミック・ジャガーらのMVで知られるズビグニェフ・リプチンスキが担当した。(編集部・石井百合子)
映画『アングスト/不安』は7月3日よりシネマート新宿ほか全国順次公開