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「どうする家康」山田孝之、人と目を合わせない服部半蔵語る

第5回「瀬名奪還作戦」より山田孝之演じる服部半蔵
第5回「瀬名奪還作戦」より山田孝之演じる服部半蔵 - (C)NHK

 松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜、NHK総合で夜8時~ほか)で服部半蔵(正成)を演じる山田孝之。初登場となった2月5日放送の第5回を振り返り「脚本にあるセリフをベースにしながら、描かれていない半蔵の過去や父のことを想像で足して、人物像を組み立てていきました。史実が本当なのかは誰にも分かりませんし、今作においては、僕に与えられた服部半蔵をどう生きるかということだけだと思っています」と語った(※ネタばれあり。第5回の詳細に触れています)。

【画像】インパクト強っ!初登場の松山ケンイチ&山田孝之

 江戸幕府初代征夷大将軍・徳川家康の生涯を、『コンフィデンスマンJP』シリーズや公開中の映画『レジェンド&バタフライ』などの脚本家・古沢良太が等身大の目線で描く本作。山田演じる服部半蔵は、先祖が忍びの郷・伊賀出身なので忍者とよく間違えられるが、本人は武士と思っている。そんな自分にプライドが持てず、人づきあいが苦手。命ぜられて伊賀忍者を使い、諜報活動をするが時々失敗する……という設定だ。山田にとって大河ドラマの出演は第39作「葵 徳川三代」(2000年)以来2度目、23年ぶり。「葵 徳川三代」では徳川秀忠の嫡男・竹千代を演じていた。

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手裏剣一つ投げられない

本多正信(松山ケンイチ)と

 第5回「瀬名奪還作戦」では、松平元康(松本潤)が織田に寝返ったことによって今川に捕らわれの身となった妻・瀬名(有村架純)を取り戻そうとするエピソードが展開。イカサマ師と呼ばれる嫌われ者の本多正信(松山ケンイチ)が元康に望みを託され、服部半蔵ら伊賀忍者の服部一党を使った作戦を立てる。

~以下ネタバレあり~

 山田は半蔵の人物像について「第5回では、亡き父から『忍びはやるな』と言われていたことも明かされましたが、半蔵は、そもそも出来ることなら争いを避けて生きたい人。ただ、時代的にも避けられない争いも多いし、自分は伊賀にうまれた宿命もある。それは理解しつつも、やはり争いたくない……という悩みや葛藤を抱えていたのかなと思います。一方で、幼い頃見ていた忍びとして活躍する父の姿に、少なからず誇りや憧れも持っていただろうと想像しています。いざ任務につくとなれば、ほんの僅かですが、憧れていた父と同じ働きができる喜びもあったのかなと思います。でも、結果的に父は自分に忍びを勧めなかった。父はさまざまな出来事に巻き込まれ、もしかしたら甲賀との対立の中で亡くなったのかもしれない。その上での言葉だったことを考えると、やはり引き受けない方が良いのかな……と、正信の誘いに対して逡巡する半蔵の思いを解釈しました」と語る。

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 そう逡巡しながらも挑んだ瀬名奪還作戦だが、失敗に終わる。「鵜殿長照らに襲われた瞬間、『なんでバレてるんだ』と思考停止して、怖くなり動けなくなってしまいました。しかも、そんな自分を救ったせいで、多くの仲間が命を落としてしまった。冷静に考えれば、相手方にバレた場合も想定しておかなければならなかったし、そうなっても動けるように日頃から準備しておくべきだったんですよね。(忍びではないですが)忍びとしての身体能力は低いですし、戦いたくないので日頃からトレーニングもしておらず、手裏剣一つ投げられない。とはいえ最低限自分が準備しておけば、仲間が犠牲になることもなかったのかと自分を責めたし、絶望したと思います」

どのシーンでも人とほぼ目を合わせない

 それでも、もう一度瀬名奪還の任務に挑戦すると元康に申し出る覚悟ができたことについて「亡くなった大鼠との約束があったからだと思います。きちんと任務をやり遂げて、銭をもらって、妻や子に分けて欲しいと言い残して死んでいった大鼠の言葉は絶対守らなければならないし、今度こそ成功させなければならない。でも、再度チャレンジすれば、指揮をとるのは頼りない自分なので、また余計に仲間の命を犠牲にしてしまうかもしれない怖さもある。でもやるしかない……。ずっと悩んで、葛藤して、人との間に挟まるというか。そうした人としての揺らぎが見えるシーンが多いので、人物像も自然と掴みやすかったように思います」と解釈を述べた。

 松山演じる正信と半蔵の関係については「正信と半蔵は、貧しい暮らしの中で死にものぐるいで生きていますし、近いマインドを持った人だとは思います。でも、これは正信に限らずですが、半蔵は基本的に人を信用しておらず、警戒心も強い。どのシーンでも人とほぼ目を合わせないんです。目は口ほどにものを言うという言葉もありますが、目をしっかり見ると相手に情報を与えてしまうこともあると思うので」と山田。「でも、これから1年間続く物語の中で、半蔵の感情が大きく揺れ動いたり、崩れるほど感情が高ぶったり。もしくはしっかり相手の目を見られるほど信頼できる関係性を、正信や家康たちと築けたら……。そんなエピソードが出てきたらいいなと、僕自身も楽しみにしています」と今後の撮影に期待を寄せた。(編集部・石井百合子)

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