『アルマゲドン』でブレイクしたリヴ・タイラーの現在
3月17日の日本テレビ系「金曜ロードショー」(毎週金曜夜9時~)で『アルマゲドン』(1998)が放送される。この映画でブルース・ウィリス演じる主人公の娘を演じてブレイクしたのが、リヴ・タイラー。彼女は最近どうしているのか? これまでのキャリアと近況に迫る。
1977年7月1日生まれのリヴは、現在45歳。父親は人気バンド、エアロスミスのスティーヴン・タイラー、母親は元モデルのビビ・ビュエル。リヴが生まれた時、母は人気ミュージシャンのトッド・ラングレンと暮らしていたので、リヴがトッドを父親だと思って成長したのは有名な話。その後、11歳の頃に実の父親がスティーヴンだと知るが、現在も両方の父親と親交があり、結婚式にもスティーヴンとトッドを招いている。
そんなエンターテインメント界で活動する両親の元で育ったせいか、リヴも若くしてこの世界へ。10代の頃からモデルとして活動し、1993年に16歳で父のバンド、エアロスミスの曲「クレイジー」の音楽クリップに出演して注目を集め、1995年の『精神分析医J』で映画デビュー。名匠ベルナルド・ベルトルッチ監督『魅せられて』(1996)、トム・ハンクスが監督した『すべてをあなたに』(1996)、オリヴァー・ストーン監督『Uターン』(1997)などを経て、映画『アルマゲドン』(1998)の世界的大ヒットにより、人気スターの仲間入りを果たした。
その後もリヴは、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作(2001、2002、2003)で、アラゴルンと愛し合うエルフのアルウェン役、エドワード・ノートン主演のマーベル映画『インクレディブル・ハルク』(2008)の主人公の恋人ベティ・ロス役など、大作映画のヒロイン役で活躍した。
最近では、映画はブラッド・ピット主演の『アド・アストラ』(2019)に出演しているほか、テレビ界にも進出し、テレビドラマ「ウォッチメン」のクリエイター、デイモン・リンデロフのテレビドラマ「LEFTOVERS/残された世界」シーズン1~3(2014-2017)、サマンサ・モートン主演のテレビドラマ「Harlots/ハーロッツ 快楽の代償」シーズン2~3(2018-2019)、ロブ・ロウ主演のテレビドラマ「911:ローン・スター(原題) / 911: Lone Star」シーズン1(2020)などで活躍している。
しかし、リヴは近年あえて出演作を減らしていると公言している。その理由は、3人の子供たち。彼女はかつて2008年の英インデペンデント紙のインタビューで、自分は14歳からモデルをしてきたが、いちばんなりたかったものは母親だったと語っている。
リヴはその夢を叶えて、2003年に結婚した英国バンド、スペースホッグのロイストン・ラングトンとの息子、マイロ・ウィリアム・ラングトンが2004年12月に誕生。ロイストンとは2008年に離婚するが、2014年から元サッカー選手デヴィッド・ベッカムのビジネスパートナーでもある英国のスポーツ・エージェント、デヴィッド・ガードナーと交際して婚約。結婚はしなかったが、2015年に2人の間の息子セイラー、2016年に娘ルーラが生まれている。そこでリヴが決心したのは、父親と一緒に子供たちを育てるため、生活の拠点をロンドンに移すこと。それからのリヴは、ロンドンと仕事場であるロサンゼルスを行き来する生活を送るようになった。
ちなみにこの子供たち2人のゴッドファーザーは、2人の父親と親交の深いデヴィッド・ベッカム。リヴは子供たちとベッカムが一緒にいる写真をインスタにアップしている。2人の名前はリヴが大好きな映画、デヴィッド・リンチ監督の『ワイルド・アット・ハート』(1990)でニコラス・ケイジとローラ・ダーンが演じたカップルの役名、セイラーとルーラから取ったそうだ。
そんな中、2019年末から始まったのが、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行。そのために、ロンドンとロサンゼルスを頻繁に行き来する生活は難しくなってしまう。そこでリヴが選んだのは、子供たちと一緒に生活すること。なんと、出演していたテレビドラマ「911:ローン・スター(原題) / 911: Lone Star」をシーズン1で降板してしまう。当時、番組のクリエイターの一人、ティム・マイナーはこの降板について、彼女が戻って来ればいつでも歓迎すると発言していた。この番組は現在、シーズン4がアメリカで放送中だが、リヴは番組に戻ってはいない。
その後、2021年にリヴとデヴィッドは破局するが、リヴは今もロンドンで子供たちと一緒に過ごすことを優先する生活を続けている。現在、新たな出演作の予定は発表されていないが、彼女の現在の生活が充実している様子は、彼女のInstagramを見るとよくわかる。そこにはハリウッドのセレブらしい画像はほとんどなく、子供たちが部屋や自然の中で過ごしている穏やかな情景であふれている。(文・平沢薫)