『ヒアアフター』特集第2弾 - 映画の情報を毎日更新

最新作『ヒアアフター』が公開されるクリント・イーストウッド監督。近年も『グラン・トリノ』『インビクタス/負けざる者たち』と傑作を撮り続け、80歳の現在も未だフィルムメーカーとしての情熱は衰えず、レオナルド・ディカプリオと初のタッグを組む次回作『ジェイ・エドガー（原題） / J. Edgar』に今取り掛かっているという。文字通り、生涯現役だ！　そんな彼が監督した5作品の人気投票を実施。果たしてあなたの心をとらえるイーストウッド作品はどれ？

『ヒアアフター』

リゾート地で大津波に遭遇し、臨死体験をしたフランス人女性、ロンドンで双子の兄を事故で失った少年、霊能者としての能力を封印し、静かな人生を望むサンフランシスコの男性。全くかかわりのなかった3人の人生が運命によって引き寄せられていく……。死後の世界というキワモノ的な題材を、死を身近に感じた人々の孤独な心の機微に触れることで、誰もが共感できる人間ドラマに見事に昇華。特に、双子の兄弟のエピソードは胸に迫る。シンプルなメロディーが流れる中、1本の線につながっていくラスト。見終わった後も、心に広がる温もりは老境に入った名匠ならではの味わいだ。

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335票

Universal Pictures / Photofest / ゲッティイメージズ: 1920年代のロサンゼルスで実際に起きた事件を映画化。失踪した息子が警察によって保護され戻って来たが、それは別人だった……。非情な警察の圧力に屈することなく、真実を追求する母親を演じるのは、アンジェリーナ・ジョリー。イーストウッドと組んだアンジーが、何者にも負けぬ母の強さを体現してアカデミー賞主演女優賞にノミネート。イーストウッド自身が作曲した主題曲が繰り返し流され、ヒロインの悲痛な叫びが観客の胸に共鳴してくるような作品。

338票

Warner Bros. / Dreamworks / Photofest / MediaVast Japn: 太平洋戦争の激戦地・硫黄島での戦いを、日米両方の視点から連作で描いた戦争映画。本作は、日本軍兵士の目を通して、日本を守るために戦った男たちの壮絶な最期を描く。必死に戦う兵士を演じた二宮和也は、イーストウッドに「たぐいまれなる才能」と言わしめたほか、加瀬亮、伊原剛志ら日本人俳優の堂々たる演技が戦争の虚しさを訴えている。アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞など4部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞。

378票

Warner Brothers / Photofest / MediaVast Japan: ボクシングに希望を見いだそうとする孤独な女性と、老トレーナーの悲痛な人生模様をつづったヒューマンドラマ。第77回アカデミー賞ではマーティン・スコセッシ監督×レオナルド・ディカプリオ主演の『アビエイター』が大本命視されていたが、巨匠対決の軍配はイーストウッド監督に。作品賞、監督賞、主演女優賞（ヒラリー・スワンク）、助演男優賞（モーガン・フリーマン）の4部門を受賞したほか、ほかの映画賞も制した。女性ボクサーと老トレーナーの間にはぐくまれていく父と娘のようなきずなが切なくやるせない。

191票

Warner Bros. / Photofest / MediaVast Japn: 少年時代の忌まわしい事件をきっかけに疎遠になっていた3人の男たちが、ある殺人事件で担当刑事、被害者の父、容疑者という立場で25年ぶりに再会。彼らが事件の真相を究明するとともに、それぞれが抱えてきた苦悩や葛藤、秘密があぶれ出されていくことになる……。ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコンという実力派俳優をそろえ、特に娘を失った嘆きと怒りを全身全霊で演じたショーン・ペンはアカデミー賞主演男優賞を、ティム・ロビンスは助演男優賞を受賞。

222票

Warner Bros. / Photofest / ゲッティイメージズ: 結婚を機に犯罪から足を洗っていた男のもとに賞金稼ぎの話が持ち込まれ、再び銃を手に標的のいる街へ。だが、街では治安を守るために賞金稼ぎや無法者に容赦のない鬼保安官が待ち構えていた……。イーストウッドが「最後の西部劇」と語った入魂の作品で、彼が映画人生の師ドン・シーゲルとセルジオ・レオーネにささげた作品。決してアクションだけに終始するのではなく、善と悪だけでは語れぬ人の世を静謐（せいひつ）なタッチで描いている。アカデミー賞10部門でノミネートされ、作品賞、監督賞、助演男優賞（ジーン・ハックマン）、編集賞の4部門を受賞。