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フェリスはある朝突然に:映画短評

フェリスはある朝突然に

フェリスはある朝突然に
斉藤 博昭

「現実逃避できる」映画の目的を、最高の気分でかなえてくれる

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

トム・ホランドのスパイダーマンや『デッドプール』による美しきオマージュも記憶に新しい、主人公フェリスのズル休み大作戦。当時、絶好調だったジョン・ヒューズ監督作の中でも青春の屈折や悩みが一切排除され、徹底的に楽しく、愛おしくというブレない感覚が、ジェットコースター並みの全編の疾走感と躍動につながった。

「とにかく1日だけ楽しむ」というフェリスの欲望が、観る人の「現実逃避したい」気分と重なり、映画本来の役割がパーフェクトに達成される喜び。現実と非現実のギリギリの境界で自由に生きるフェリスのキャラは、ある種「夢」のような存在で、どんなスーパーヒーローにも負けないほど、永遠の憧れの対象なのである。

この短評にはネタバレを含んでいます
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