五日物語 -3つの王国と3人の女- (2015):映画短評
五日物語 -3つの王国と3人の女- (2015)ハリウッド的ファンタジーとは一線を画す艶かしい映像美
あらゆるお伽話の原点とも言われるイタリアの民話集『五日物語』の中から、理想の結婚、出産と子育て、永遠の若さと美貌という、今も昔も変わらぬ女性の願望を題材にした3つの物語が描かれる。
CGまみれのハリウッド的なファンタジーとは明らかに一線を画す、シュールで幻想的で生々しくも艶かしいゴージャスな映像美は圧巻!なんたって、そこらじゅうに本物の城がある国だからね。マリオ・バーヴァに影響されたというダークで厳かな世界観とトリッキーなカメラワークも実に見事。
「本当は怖いグリム童話」を地で行くような、残酷で凄惨なストーリーも皮肉が効いており、哀しくも恐ろしい女の性(さが)がジワジワと浮かび上がる。
この短評にはネタバレを含んでいます