風に濡れた女 (2016):映画短評
風に濡れた女 (2016)荒野の“エロ我慢選手権”
『恋人たちは濡れた』へのオマージュから始まる冒頭やタイトルにしろ、ドワイヨン以上に『ラブバトル』な展開にしろ、『ジムノペディに乱れる』に比べ、がっつり神代辰巳リスペクトなロマンポルノの仕上がり。女断ちした劇作家が“ロックオン”発言したくせに、すぐにヤラせない謎の女に翻弄される悶々とした姿は“エロ我慢選手権”状態。そのオフビートな笑い(オチは落語的)も含め、『月光の囁き』の塩田明彦監督が帰ってきた感が強く、終始ニヤニヤ。今度はワイヤーアクションの濡れ場も観せてほしいところだ。肉体派・間宮夕貴は“和製エヴァ・グリーン”になる逸材と思うなか、メガネっ子を演じた中谷仁美の香り立つエロにやられる。
この短評にはネタバレを含んでいます