ロニートとエスティ 彼女たちの選択 (2017):映画短評
ロニートとエスティ 彼女たちの選択 (2017)言葉にならない思いがあふれだす愛の物語
正統派ユダヤ教徒のラビの娘に生まれた場合、相当に厳しい躾をされるのは容易に想像できる。そんな“くびき”だらけの人生から逃げ出したロニートと厳格なコミュニティに残った元恋人エスティのそれぞれの人生模様と選択、さらにはエスティの夫であるラビが宗教と愛の狭間で揺れる姿が濃密に描かれていて、見ていて窒息しそうな気分になった。癒しと呪縛ともいえる、相反する側面を持つ宗教への恐れも湧くほど。主演のR・ワイズとR・マックアダムズ、A・ニヴォラは些細な仕草やまなざしでキャラクターが置かれた状況や感情を正確に表現する熱演で、言葉にならない思いがあふれだす。映画終了後は彼らの今後が気になる、愛の物語だ。
この短評にはネタバレを含んでいます