雑魚どもよ、大志を抱け! (2022):映画短評
雑魚どもよ、大志を抱け! (2022)「スタンド・バイ・ミー」風と思いきや別ベクトルで超えてきた
小学6年の上下関係もキツく絡み、やや過激な(そこも映画らしい)エピソードも生々しく盛り込んだドラマだが、所詮、大人が作るもの。しかしこの映画は、少年たちの目線となるレベルが奇跡的。子役たちは演技を超えて画面の中に生きており、特に表情だけで語る池川侑希弥は本能的演技者の素質が感じられた。後半、長回しで撮られたメイン2人のシーンは、いったいどうやって演出されたのか戸惑うほど、強圧的に心を揺さぶる。
瞬発で終えるシーンもあるメリハリな構成で、145分は一気の体感。映画愛を込めた部分も旨い味付けに。こそばゆい描写もありつつ、ラストの成長と高揚感には爽やかな涙が流れる。
この短評にはネタバレを含んでいます