シンデレラガール (2023):映画短評
シンデレラガール (2023)終始不穏な空気漂う、異色のサクセスストーリー
一見キラキラ映画に見えるタイトルだが、そこは『飢えたライオン』の社会派、緒方貴臣監督5年ぶりの新作。基本、義足のモデルをヒロインにしたサクセスストーリーにして、冒頭から主演の伊礼姫奈不在で進んでいく“再現ドラマ”が展開。まさかのメタ構造から、今回もドキュメンタリータッチの映像で捉えられるリアルな会話。随所に差し込まれるカットアウトが観る者に不安を抱かせるホラー演出で、終始不穏な空気が漂う。筒井真理子の登場により、別の意味での映画らしさも醸し出されるなか、伊礼の今後の可能性も感じさせる一本。いろんな意味で、サプライズの連続だが、61分で完結させる潔さに、★おまけ。
この短評にはネタバレを含んでいます