『スパイダーマン:ホームカミング』舞台裏に潜入!トムホ解説付き
マーベル映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でセンセーショナルなデビューを飾ったトム・ホランドによる新“スパイダーマン”! この夏とうとうその全貌を『スパイダーマン:ホームカミング』で観ることができる(日本公開8月11日)。スパイダーマンは、最も愛されるスーパーヒーローのひとりなだけに、これまで何度も映画化されてきたが、今回何より興奮するのは、初めてマーべル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属する作品として作られたこと。なので、この作品において、さっそくアイアンマンがスパイダーマンの“兄貴”的な存在としてガッツリ登場するのだ。昨年8月25日、米アトランタの有名なパインウッド・スタジオで行われた本作の撮影現場に潜入してきた!(取材:中村明美、構成:編集部・石神恵美子)
●ピーター・パーカーVS悪役ヴァルチャー、すすまみれのド迫力バトルシーン!
撮影全75日で、45日目のこの日に撮影していたのは、トムホ演じるスパイダーマンことピーター・パーカーがマイケル・キートンふんする悪役ヴァルチャーと戦う“ビーチ・バトル”と名付けられていたシーン。メガホンをとった新鋭のジョン・ワッツ監督は、マーベル・スタジオの社長ケヴィン・ファイギや元米ソニー・ピクチャーズ共同会長のエイミー・パスカルたちに初めて会った時に、このシーンのアイデアを見せたそうで、「ニューヨークでまだやっていないと思うアイデアを見せたんだ。今回、スタジオで撮影することになったのは、爆発するシーンがあるからね」と自信たっぷり。
スタジオにつくられたそのビーチはニューヨークにあるリゾート地コニーアイランドの設定とされ、壊れた飛行機の横で、ピーターとヴァルチャーが共に倒れ込んでいた。砂浜からは火が出ていて、スタジオ内はものすごい熱気。2人の顔は、すすまみれで真っ黒だった。「アクション!」の合図で、立ち上がったピーターは、横たわったままのヴァルチャーに何か話しかけている。
このシーンの撮影で注目すべきは、2人ともヒーロー/悪役のコスチュームを着ておらず、ピーターは自分でつくったスパイダーマン風の服を着ていたこと。トムホは「今日の撮影の時に着ていたスーツは、ピーター・パーカーが自分でつくったものなんだけど、なぜなのかは言えないんだ(笑)」とはぐらかしつつも、「でもすごく大事なシーンで、ピーターが初めてスパイダーマンのマスクをしないで登場する。ピーターとスパイダーマンのコントラストを見せる瞬間なんだ。彼は過激な状況において、すごくすごく大事な決断をして、それが彼をMCUにおいて最もパワフルなスーパーヒーローにするんだ」と期待をあおるコメント。そのシーンを撮影し終えた後で、トムホとキートンが抱き合っていたのが感動的だった。
●トムホ、大先輩マイケル・キートンの顔面を殴る!
このシーンの撮影を当日の朝8時から行っていたというトムホは、「これだけ大規模な映画の撮影現場は普通、すごく慌ただしいんだ。だから、僕は周りをシャットダウンして集中するために、ヘッドフォンで音楽を聴いたりする。でも、今日みたいに非常にリアルなセットで撮影するときは、神経を集中させるのにものすごく役立つんだ」と語る一方で、大先輩キートンとの共演で戸惑ったことも打ち明ける。「今日の撮影で、マイケルに顔を殴るように言われたんだ。僕は“マイケル・キートン”の顔を殴れるわけがないと思った。だけど、彼は『いいから、俺を殴れ!』って言うんだよね。だから、彼を傷つけないように胸をパンチしたんだ。そしたら、『いや、マジで殴れ!』って。仕方ないから、『わかったよ……』と覚悟を決めて本当に殴ったんだ」。しかし、そこから得たものは大きかったようで「でも実際、そういう風に共演者と身体的にぶつかりあうと、ぐっと演技がしやすくなる。僕は普段、殴られるのが嫌いなんだけど(笑)。マイケルは気にしてなかった。彼はとてもオープンな人で、何でも協力してくれる人だったから、すごくラッキーだった」とその日の撮影を振り返っていた。
●すごっ!真っ二つに割れちゃう3階建てフェリー!
続いて、“スタテン・アイランド・フェリー”というシーンで使われる、ニューヨークのマンハッタンとスタテン島を結ぶ「スタテン島フェリー」を実物大で再現したセットも見学できた。フェリーは3階建てで、今作の中で最も大きいセットとあって迫力満点。それもなんと、フェリーが真っ二つになるシーンが描かれるとあって、セットでも実際にフェリーが真っ二つに割れるようになっていた! その場で見せてもらった絵コンテでは、割れかけている間から自由の女神が見え、スパイダーマンが手首から蜘蛛の糸“ウェブ”を出して、フェリーをぐるぐる巻きにして、完全に割れて沈まないようにしていた……感動的な映像になりそうな予感だった。ついに公開された予告編でも、スタテン島フェリーが真っ二つに割れていくのを、スパイダーマンがウェブでどうにかつなぎとめるという手に汗握るシーンが見どころとして使われている。果たしてそのシーンの全貌は、本編でどのようになっているのか、期待せずにはいられない。
映画『スパイダーマン:ホームカミング』は8月11日全国公開