故・今敏監督の未完!映画『夢みる機械』制作続行が決定!
今年8月に46歳の若さで亡くなった映画『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』の今敏監督の未完映画『夢みる機械』の制作続行をマッドハウスが正式に発表した。作画監督の板津匡覧が監督代行を務めることも併せて発表。公開時期は未定だ。
本作は、今監督待望の新作として制作されていたアニメーション作品。死後公開された「さようなら」と題されたブログ記事で、今監督も「一番の心残りは映画「夢みる機械」のことだ」と言及していた。アニメーション制作を担当するマッドハウスは、オフィシャルサイトで「制作続行不可能とも思われた時期もありましたが、たくさんの方から本作品の制作に関してのお問い合わせや暖かい応援の声を頂き、この度、改めて制作体制を整え、再び本作品の完成に向けて走り出すことになりました」と制作続行を宣言した。
死を前にした今監督は「映画そのものも勿論、参加してくれているスタッフのことも気がかりで仕方ない。だって、下手をすればこれまでに血道をあげて描いて来たカットたちが誰の目にも触れない可能性が十分以上にあるのだ」とその心中を明かしていただけに、ファンやスタッフの熱意によって制作続行が決定したことは、今監督にとっても望外の喜びに違いない。
今監督の遺志を継ぐ形となった本作の制作だが、「何せ今敏が原作、脚本、キャラクターと世界観設定、絵コンテ、音楽イメージ…ありとあらゆるイメージソースを抱え込んでいるのだ」と今監督自身が懸念したように、今監督がいない現在、本作の制作に困難が控えているのは想像に難くない。何より今監督の遺作となった本作を世に出す以上は、今敏の名にふさわしいクオリティーが求められるだけに、スタッフの闘いはまだまだこれから。ファンは、本作の完成を気長に待ちたいところだ。
映画『夢みる機械』は、今監督が初めて企画する子どもも楽しめるアニメーション映画。地球上に住んでいるのはロボットのみとなった未来を舞台に、津波によって楽園から追い出される格好となったリリコとロビンの2体のロボットが「電気の国」を目指して旅をする姿を描く。