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中国でたび重なる権力批判から政府の監視下に!中国の現代アーティスト、アイ・ウェイウェイの仁義なき戦い

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脳内出血の手術で入院中もカメラに向かって中指を突き立てる威勢のよさ-アイ・ウェイウェイ
脳内出血の手術で入院中もカメラに向かって中指を突き立てる威勢のよさ-アイ・ウェイウェイ

 中国の現代アーティスト、アイ・ウェイウェイの新作ドキュメンタリー『ソー・ソーリー(英題)/ So Sorry』が第41回ロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア上映された。彼は現在、たび重なる権力批判から政府の監視下に置かれているが、新作はまさに秘密警察との仁義なき戦いを記録した挑戦的な内容で、さらに波紋を広げそうだ。

 同映画祭では今年、「隠された歴史」と題して中国で自主製作を続けるドキュメンタリー作家たちを特集。中でも目玉が、2008年に起こった四川大震災における政府の対応を徹底的に批判した結果、2011年4月に身柄を拘束され、釈放された今も監視下に置かれているウェイウェイだ。

 彼はアーティストとして日本でも、2009年に東京・森美術館で個展が開かれるなど世界的な評価を受けているが、映像作家としてもチャン・イーモウ監督らを輩出した北京電影学院出身でドキュメンタリー作品が多数ある。そこでロッテルダムでは今回、彼のビデオ作品を自由に観賞できる「アイ・ウェイウェイCafe」を期間中にオープンさせたほか、2本の新作を用意した。それが中国で行なっている建築プロジェクト『オルドス100(原題)/ Ordos 100』と前述した『ソー・ソーリー(英題)/ So Sorry』だ。

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 『ソー・ソーリー(英題)/ So Sorry』は、2009年にドイツ・ミュンヘンで開催された同名展覧会を開くまでの過程を記録したもの。だが展覧会準備中に脳内出血で手術することに。それは、以前受けた警官からの暴力が原因と言われている。当時、政府の監視はますます厳しくなっており、突然、自宅の門に監視カメラが付けられたほか、連日連夜、秘密警察の尾行に遭うことになる。

 しかし彼も負けてはいない。秘密警察を逆にカメラで撮影し、証拠映像を持って警察まで抗議に行くのだ。中国ではしばし、反政府的な発言をする者に圧力がかけられることが話題となるが、実態をつぶさに記録した映像は貴重だ。

 映画祭ではウェイウェイを招待したが、現在は自宅近辺で人に合うにも警察の許可が必要な状態だそうで「今年の重要なゲストの一人を招くことはできなかった」と遺憾の意を表明している。(取材・文:中山治美)

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