真田広之、日本を舞台にしたハリウッド映画に感謝…文化へのリスペクトに喜び
海外に活躍の場を広げている俳優の真田広之が、日本を舞台にしたハリウッド映画への思いを明かした。最新作の『ウルヴァリン:SAMURAI』では東日本大震災で一度は日本ロケが頓挫したにもかかわらず、製作陣の熱意もあって日本での撮影が実現しており、「それだけに思い入れというか、感慨深さは普段の日本ロケ以上にありますね」と振り返っている。
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「ハリウッドの作品で日本ロケという不思議さはあります」と心境を打ち明けた真田だったが、日本ロケを決断した製作陣には感謝の気持ちがあるという。というのも、本作の企画自体は数年前から動き出していたものの、2011年に震災が起きたことで、製作が白紙に戻った経緯があるからだ。当時の事情を知る真田は「その後も日本ロケは不可能なんじゃないかといわれていたんですけど、少しずつ復興を遂げて、製作陣もやはりこの作品を作りたい、作るからには日本にロケに来たいという思いを貫いてくれた」と万感の思いを口にする。
実際、日本を舞台にしたシーンはセット撮影を行うという案も出ていたといい、「日本風のセットを建てる予算や技術はあるのに、あえて歴史のある建物を使っている点には、文化に対するリスペクトを感じますね。日本人として、うれしいです」と真田は言葉の端々に感謝の気持ちをにじませていた。
だからこそ、撮影では常に全力投球。リハーサルであっても手を抜くことなく果敢にアクションに挑み、そんな真田の姿を見た本作のジェームズ・マンゴールド監督は「カメラを回していないのに、やめてくれ!」と悲鳴を上げたこともあったという。そのほか、他の俳優にアクションを指導したり、作品内の日本の描写に意見を出したり、単なる役者の域にとどまらない形で作品に参加した。
そんな真田が演じるシンゲンには、ヒュー・ジャックマン演じるローガン=ウルヴァリンとの一騎打ちのシーンも用意されている。そうした大役を任されることについては「芝居とアクションと両方求めて、だからこそ自分にやってほしいというオファーをもらったので、うれしかったです。なので、注文にとにかく応えて、監督の喜ぶ顔を見るためには何でもやりましょう、という気持ちですね」と明かした真田。2003年の映画『ラスト サムライ』でハリウッドに本格進出したのを皮切りに多くの作品に出演し、すでにハリウッドでの地位を確立した感もあるが、「そういう意味では20代前半の気分に戻っています」と初心に戻った作品であることをアピールしていた。(編集部・福田麗)
映画『ウルヴァリン:SAMURAI』は9月13日よりTOHO シネマズ日劇他全国公開