『天気の子』世界最速上映、ファンの感想は?新海誠監督&野田洋次郎サプライズ登壇で観客わかす
19日、新海誠監督の新作映画『天気の子』の世界最速上映がTOHOシネマズ新宿で行われ、同館とTOHOシネマズ梅田の2か所限定、新宿では1,200人、梅田では1,000人の計2,200人限定のイベントに抽選で当たった幸運なファンたちが集結した。上映後には新海監督と音楽を担当したRADWIMPSの野田洋次郎がサプライズ登壇した。
新海監督にとって大ヒット映画『君の名は。』以来3年ぶりの新作となる本作では、東京を舞台に家出少年の帆高(声:醍醐虎汰朗)と祈ることで天気を晴れにすることができる少女・陽菜(声:森七菜)の出会い、二人が選択する生き方が描かれている。
TOHOシネマズ新宿のスクリーン7、スクリーン9、スクリーン10で実施され、客席は満員御礼。上映前の映画館は午前0時前とは思えない熱気につつまれ、上映後は興奮冷めやらないファンの姿であふれていた。
友人の女性と訪れていた男性は作品について「衝撃と感動……。サプライズが多かったです。多いとは思っていたんですけどそれにしても多かったです」と余韻に浸っている様子。友人も「最速上映だったので何も前情報がなかったので『えっ新海監督、こんな作品も描くんだ!』って」と同意し、「(これまでの作品にはなかった)アンダーグラウンド感もあった」と語った。
この日も一緒にきていた高校時代の友人男性と『秒速5センチメートル』を観たことがきっかけで新海誠作品にハマり、新海監督のこれまでの映画は全て鑑賞済み。名古屋から世界最速上映にやってきたという男性は開口一番「音楽がすごくよかったです」と話し、「(あるシーンで流れる音楽の)サビの部分が印象に残りました」と続けた。映画全体については「監督が賛否両論あるかもとおっしゃっていて、実際に観てみてそんな感じがしたので、もう一回観て考えてみたいなと思います」と早くもリピートを決定していた。
夫婦で世界最速上映に参加し、「ついてこいって言うから」と笑う奥さまは10回以上、本人は38回『君の名は。』を映画館で観たという男性は「最終的に心が温まるよい映画でした。ドキドキするシーンが何個も続くから目が離せませんでした。実は疲れていたんですけど全然眠くならなかったです」と今作の感想を語り、あいにくの雨となったこの日の新宿について「彼女が今から祈って晴れにします」と本作のストーリーを引用しながら幸せそうに笑っていた。
上映後にサプライズで舞台にあがった新海監督は「こんな時間にお集まりいただいてどうしても一言お礼を申し上げたくて、劇場の方にも無理を言って少しだけお時間をいただきました」とあいさつ。そして監督に紹介されて登壇した野田は新海監督と熱い抱擁を交わし、「本当に今日はありがとうございます。新海さんの挑戦の歴史でもあるし、僕も途中から船に乗せていただいて冒険の旅でした。そうやって作り上げた映画の、最初の目撃者を目の当たりにして本当に幸せです」と感慨深げに述べた。
新海監督が「みなさんがこの映画を観てどのように感じていただけたのか、楽しんでいただけたのか、笑っていただけたのか、泣いていただけたのか全くわかりませんが、どうでしたか?」と問いかけると、客席全体から惜しみない拍手が送られた。
また、最後に新海監督は18日に発生した京都アニメーションの放火火災についても言及し「僕たちは同じ業界にいて、一枚でもいい画を描きたい、少しでもお客さまに楽しんでほしいという気持ちで、ひたすら画を描いてアニメーション映画をつくる仕事です。本当に、ご冥福をお祈りするしかないのですが……。映画を楽しんでいただきたいと。少しでも笑って少しでも楽しい思いをしていただくために、みんなで同じ船に乗って映画をつくっている仲間だと思っています。みなさんに届くようなものをこれからもつくっていきたい。京都アニメーションの新しい作品も観たいですし、僕らもこれからずっとひるむことなくつくり続けることができれば幸せなのかなと、そうするべきなのかなと思っています……。今日は本当にありがとうございました」とコメントした。(編集部・海江田宗)