北野武、イタリアで生涯功労賞を受賞 現地入りは断念
北野武監督(75)が現地時間4月29日、イタリアの第24回ウディネ・ファーイースト映画祭でゴールデン・マルベリー賞(生涯功労賞)を受賞した。北野監督は現地で賞を受け取る予定だったが、体調不良のため直前にイタリア入りを断念。オンラインでの参加となった。
ウディネ・ファーイースト映画祭は、北イタリアのウディネで毎年開催されるヨーロッパ最大のアジア映画祭。北野監督は新型コロナウイルスの流行や現在の世界情勢、自身の体調などの理由から映画祭行きを悩んだが、「映画祭だし、ファンの皆さんもいっぱい待っているんで、どうにかして行こう」と決意。コロナのワクチンを打ち、PCR検査を済ませ、タキシードも用意して成田空港まで向かったが、ウディネまでの長旅への不安もあり、飛行機を待つ間に急に体調が悪くなってしまったという。
北野監督は「友達からは『ロシアの侵攻なんかに表現の自由や芸術がつぶされていいのか』というようなことを言われ、もちろんその通りで、映画祭に行くのをそんなことで邪魔されたくないと思っていたんですけど、自分の体調管理が悪いのか、年もあるし、どうも疲れが出てしまって」と説明。現在、新作映画の編集作業を進めていることを明かし、「今度ウディネには新作の映画を持ってちゃんとお詫びとお礼に行きたいと思っていますんで、ファンの皆さんもどうもすみません、ありがとうございました」とあいさつした。
映画祭の代表、サブリナ・バラセッティ氏は「ヨーロッパ人の我々は北野武監督の映画を観て育ちました。そして、映画監督として認識していた北野武監督でしたが、日本に行った時にテレビでコメディアンとして活躍する姿を見て衝撃を覚えました。北野武監督の熱狂的なファンはイタリアにいます。まさに“北野教”と言っても過言ではないほどのファンの存在、この会場の熱狂を北野武監督に直接感じていただきたかったです。とはいえ、ウディネは北野武監督にとっての第2の故郷と思っていただければ幸いです。この賞を北野武監督に授与することに誇りを感じています」とコメントした。(編集部・中山雄一朗)