『ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ』特集 2005年4月1日 夜のロスの街に不気味に光る、『ハイド・アンド・シーク』の看板。ロバート・デニーロとダコタ・ファニングちゃん 映画館の中の電子パネル。上映映画のタイトルと開始時間が書いてある。ジョニー・デップ主演の『ネバーランド』、ウィル・スミス主演の『ヒッチ』や、他にもたくさん! チケットを売る人。なんだか彼女まであやしい!? 隣に座ってた姉妹。キャーキャー叫んでいたのは実は私! このカップルは『サイドウェイ』を見に来たそうな。映画のあとはどこに行くの? ……チャ、チャーリー?!……いや、……単なる通行人でした。それにしてもこ、怖い! ロバート・デ・ニーロの最新作がホラーと聞けば、なんとなく興味をそそられません? サスペンスならわかるけど、ばりばりのホラーにあの演技の神様、ロバート・デ・ニーロですよ。しかも、娘役は、「アイアム・サム」でダントツの演技力を見せた、ダコタ・ファニングちゃんですよ。 公開当時、全米でナンバーワン に躍り出たのも、アメリカ人のそんな期待からでした。 映画会社もそれを意識して、ばんばん宣伝していました。 で、わたしも見てきました。 場所は、ロスの人気スポット、「ザ・グローブ」という野外ショッピングモールの映画館。ここには映画館も、レストランも、おしゃれなお店もたくさん並んでいるので、週末ともなれば相当な人たちで賑わいます。 この日も満杯でした。印象的だったのは、普段は10代20代が見るホラーなのに、若者はもちろんのこと、年配の人も多かったこと。やはりデニーロを見に来たんでしょうね。「大人が見られるホラーなんだなあ」、とその時思いました。 さて、今回のロバート・デ・ニーロは、奥さんを最近亡くした精神科医の役。彼の娘は母親を失ったショックで自閉症気味になっています。そんな娘の容態を心配し、彼は娘を連れて田舎に引っ越します。でも、その辺からどうも娘の様子がおかしい。チャーリーという新しいお友達と話しているようなのに、彼の姿は見えない。チャーリーとは一体何者?空想上のお友達なのか、それとも、もしかして……人間じゃないの!? ホラーが苦手なわたしは、思いっきり叫んで見ていました。だって、怖いんだもん、寂れた田舎の家とか……。それに近所の人も不気味だし……。 みんなの反応はどうだったんでしょう。 「あの女の子がうまかった。なりきっていて、怖かった」 「ストーリーよりも2人の演技のほうが良かった」 そう。おおかた、この辺がアメリカ人の一般的な意見。わたしも、ストーリー的には、もっとオカルトに突っ走っても良かったかも、ってちょっと思いました。 隣に座った姉妹にも感想を聞きました。 「怖かったぁー」とまだ興奮気味の13歳の妹さん。 「うひゃあー面白かったー」と15歳のお姉さん。 ホラー好きの彼女たちは「JUON」も見たというので、どちらが怖かったか聞いてみました。一瞬首を傾げて考えていたけど、 「JUONかな」と2人とも。 そう。確かにそう。「JUON」や「ザ・リング」のほうが後でじわじわ来る。でも逆にそれが「ハイド・アンド・シーク」の良いところでもある。 だって、この映画の恐怖は後を引かない。 だから映画館でどんなに叫んでも、おうちに帰った後はちゃんと眠れるってことです。それって大切ですよね、私のような怖がりやさんにとっては。 日本公開ももうすぐ。デ・ニーロの最新作「ハイド・アンド・シーク」が日本の観客の目にどう写るのか、楽しみです。 ザ・グローブの映画館 この週に上映されていた映画。『ハイド・アンド・シーク』は英語で”Hide and Seek"。意味は『かくれんぼ』。誰とかくれんぼするの……!!」 映画館の中にはいくつものシアターが。このドアの向こうが『ハイド・アンド・シーク』。皆さん、いらしゃーーい・・・。怖くないわよー、フフフ・・・ 映画館 チケットを買いに、列に並ぶ人々 写真・文:こはたあつこ ADVERTISEMENT