ヒーローたちを愛してやまないライター・杉山すぴ豊による熱血授業!!アメコミ☆ハイスクール(4/4)
LESSON4 番外編 アメコミ☆サマースクール開講!
起立! SNIKT!
待ちに待った夏休み! 皆さん、絶好のアメコミ日和をいかがお過ごしでしょうか。
4回目は8月、9月に劇場公開を控える大作をより楽しむために、番外編・アメコミ☆サマースクールを開講! アメコミ映画を紐解く26のキーワードを“AtoZ”でイッキに教えちゃいます! 基礎的な知識から玄人向けの小ネタまで、これまでの授業のおさらいも兼ねてじっくり学び直しましょう!
では早速、レッスンスタート!!
[A]
【アベンジャーズ(Avengers)】世界で最も有名なアメコミ・ヒーローチーム!
アイアンマンやキャプテン・アメリカなど、マーベルのヒーローたちが集結した地上最強のチーム。最初から集団ヒーローだったのではなく、個々のヒーローが自主的に集ってできた。原作コミックスではしょっちゅうメンバーが入れ替わり、スパイダーマンも一時期所属していたとか。
関連作品:『アベンジャーズ』
[B]
【ブラックス(Blacks)】黒の衣装も、ヒーローの証!
アメコミヒーローは派手なコスチュームの印象が強いが、黒い衣装に身を包むクールなヒーローも数多い。ズバリ『メン・イン・ブラック』はサングラス&黒いスーツのスマートな奴ら。他にもブラック・ウィドウ、ブラック・スパイダーマン、ブラック・キャナリーなど、闇をゆくヒーローたちにも注目。
関連作品:『メン・イン・ブラック』
[C]
【クロスオーバー(Crossover)】これぞアメコミの醍醐味という物語手法!
アメコミキャラクターの権利を持つ出版社の意向で、共通の世界観を持つヒーローを共演させ、ストーリーをシンクロさせることがある。これをクロスオーバーという。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』はその典型。他にも『エイリアン VS. プレデター』などがある。
関連作品:『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』 『エイリアン VS. プレデター』
[D]
【DCフィルムズ(DC Firms)】マーベル映画の快進撃に“ちょっと待った!”
「バットマン」や「スーパーマン」を有するDCコミックスの映画化プロジェクト。今までも映画化した作品はあったが、今年公開の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を皮切りに、2020年までひとつの世界観の中でDCヒーローたちを続々映画化し、壮大なDC映画世界を創る計画がある。
関連作品:『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
[E]
【エル家(El)】スーパーマンの胸のマークは“家紋”なのだ!
スーパーマンこと、クラーク・ケントは惑星クリプトン出身で、故郷での本名はカル・エル。クリプトン星の名家・エル家の紋章を胸につけて地球で活躍していたが、それがアルファベットの「S」に似ていたためスーパーマンと呼ばれるように。従妹のスーパーガールも胸に紋章をつけている。
[F]
【ファンタスティック・フォー(Fantastic Four)】マーベルがブレイクしたきっかけはこの4人!
宇宙線を浴び超人となった4人が活躍! 1961年に発表されたこの作品はヒーローものでありながら家族ドラマの要素を入れたその斬新さで注目される。マーベルは本作の成功をうけ「ハルク」「マイティ・ソー」「スパイダーマン」などの意欲作を続々と発表し、人気ブランドになった。
関連作品: 『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』
[G]
【グラフィックノベル(Graphic Novel)】「漫画」と言うか「劇画」と言うかの違いです
「シン・シティ」「300」「Vフォー・ヴェンデッタ」など、アメコミの中でもよりアダルトを意識したテーマや描写(性や暴力)のあるものの総称。大人向けな内容の「バットマン:ダークナイト・リターンズ」もコミックでなくグラフィックノベルと言われる。
関連作品:『300 <スリーハンドレッド>』 『V フォー・ヴェンデッタ』
[H]
【ヒドラ党(Hidra)】そのマークは、ドクロの顔にタコのような触手!
マーベルのヒーローたちが戦うのは悪の軍団ヒドラ党。名前は“首を斬り落とすとそこからふたつの首が生えてくる”と言われる神話の怪物の名に由来し、倒すことは出来ず、絶えず増殖を繰り返す組織なのだ。歴史の陰で暗躍し人類征服を狙っている……。
[I]
【インフィニティ・ストーン(Infinity Stones)】マーベル世界を揺るがす美しきパワーストーン
絶大な力を持つ宇宙のパワーストーン。6つ集まると銀河を滅ぼすこともできるとされる。すでに4つの石が『アベンジャーズ』のテサラクト、ロキの杖、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のエーテル、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のオーブという形で映画の中に登場済み。
関連作品:『アベンジャーズ』 『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
[J]
【ジャスティス・リーグ(Justice League)】マーベルにアベンジャーズ、DCにはコレ!
バットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンらヒーローたちがチームに! 加えて海の英雄アクアマン、高速超人フラッシュ、半メカ人サイボーグ、銀河警察グリーン・ランタンも。2017年秋公開予定の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の続編『ジャスティス・リーグ(原題) / Justice League』でヒーロー達が集結するのが待ち遠しい!
関連作品:『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
[K]
【ケヴィン・ファイギ(Kevin Feige)】マーベル映画を支えるスーパーキーマン!
マーベルの映画部門マーベルスタジオの社長にしてプロデューサー。マーベル・シネマティックユニバースの立役者。来日時「マーベルのヒーロー映画を成功させるポイントは?」と聞いたら「コスチュームを着ていないときの彼らの物語を充実させること」と答えてくれた。
[L]
【ラブ・インタレスト(Love Interest)】スーパーヒーローの元気の源はやっぱり愛!
主人公たちが想いを寄せる恋の相手。アイアンマンことトニー・スタークならペッパー・ポッツ、ソーならジェーン・フォスター、スーパーマンならロイス・レイン。ちなみにアメコミでは女超人たちをスーパーヒロインとは言わず、「スーパーヒーローウーマン」ないし「スーパーヒーローガール」という言い方をする。
[M]
【マーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe:MCU)】コミックスと映画はパラレルワールド?
2008年の『アイアンマン』から始まるマーベルスタジオの映画はMCUという大きな世界観の中での出来事と位置付けられ、ヒーロー同士が共演する映画『アベンジャーズ』が可能に。コミックスとMCUは並行宇宙的にどちらも存在。なので両者の設定が多少異なっていても全然OK!
[N]
【日本(Nippon)】東洋の神秘!忍者と刀のワンダーランド
アメコミの中の日本には、やはり忍者や刀を持った和風キャラがわんさか登場。日本をテーマにしたアメコミが原作の『ベイマックス』では、街の至る所に日本語の看板が掲げられ、敵は歌舞伎の隈取のようなマスクを着用。ちなみにウルヴァリンやアイアンマンの恋人が日本人だったことも!
関連作品:『ベイマックス』
[O]
【オリジン(Origin)】蜘蛛にかまれ。雷にうたれ。薬品を浴びて。
ヒーローたちの誕生秘話をオリジンという。ウルヴァリン誕生を描いた映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』の原題は、実は「X-MEN ORIGINS: WOLVERINE」。この項の見出しはそれぞれ「スパイダーマン」、「フラッシュ」、「ミュータントタートルズ」のオリジンを一言で紹介してみました!
関連作品:『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』
[P]
【ピザ(Pizza)】ヒーローたちのソウルフードはこれ!
タートルズの大好物はピザ(ちなみにこれはアニメからの設定)、『スパイダーマン2』では主人公はピザ配達のバイト、『アイアンマン』、『デッドプール』、ドラマ「スーパーガール」にもピザを食べるシーンが登場。アメリカンヒーローは、みんなピザが大好き!
関連作品:『ミュータント・タートルズ』
[Q]
【クイックシルバー(Quick Silver)】ふたつの映画世界を駆け抜けた奇跡!
超スピードで動くマーベルのヒーロー。アベンジャーズのメンバーだがX-MENのマグニートーの息子であり、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、『X-MEN:フューチャー&パスト』の両作に登場。映画的にはこのふたつは違う映画会社の作品で両作登場は画期的!
関連作品:『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』 『X-MEN:フューチャー&パスト』
[R]
【R指定(R-rated)】スーパーヒーローなのにお子様厳禁?
過激な内容・描写でいわゆる15歳未満(ときに18歳未満)鑑賞不可な映画。スーパーヒーロー映画は子供もターゲットだからR指定は避けがちだったけど、『デッドプール』がR指定にも関わらず大ヒット! ヒーロー映画でもR指定はアリになり『ウルヴァリン』シリーズの次回作はR指定の内容に。
[S]
【サミュエル・L・ジャクソン(Samuel L Jackson)】MCUを繋げるのはこの男!
MCUのキーマン、シールドの長官ニック・フューリーを演じ、多くのマーベル映画に登場! MCU以外でも『ザ・スピリット』やアメコミと関係の深い『キングスマン』『Mr.インクレディブル(声の出演)』『アンブレイカブル』『スター・ウォーズ』シリーズなどに出演している。
関連作品:『ザ・スピリット』 『キングスマン』 『Mr.インクレディブル』 『アンブレイカブル』 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
[T]
【テレビシリーズ(TV series)】テレビはスーパーヒーローの味方!
アメコミヒーローはドラマやアニメなど、テレビ番組として人気を博してきた。60年代の「バットマン」のドラマはあまりにも有名。現在DCは「アロー」他5本のテレビシリーズをDCフィルムズとは違う独立した世界観の中で同時展開中。マーベルはMCUと連動した「エージェント・オブ・シールド」などを放送中。
[U]
【アルティメット・ユニバース(Ultimate Universe)】黒人のニック・フューリーはここで誕生!
2000年に入り、マーベルは新しい読者を取り込むため、今までのコミック世界とは別の世界線を舞台にした“アルティメット・ユニバース”という世界をつくり、「スパイダーマン」などの既存の物語をゼロから語りなおした。なおニック・フューリーはこのアルティメットの世界では黒人として描かれ、映画版に反映された。
[V]
【ヴィランズ(Villains)】こいつらがいるから盛り上がるのだ!
『ダークナイト』のジョーカー、『マイティ・ソー』のロキ、『アベンジャーズ』のサノスなど、ヒーローたちの敵・悪役をヴィランという。彼らはヒーローにも劣らない人気を博し、今夏には悪役チームの活躍を描いた異色の映画『スーサイド・スクワッド』がDCフィルムズから登場!
関連作品:『ダークナイト』 『スーサイド・スクワッド』
[W]
【Wイニシャル(W-initials)】RR、BB、PP、MM、SS、etc……
マーベルの初期のヒーローはWイニシャルが多い。『ファンタスティック・フォー』のリード・リチャーズ、『ハルク』のブルース・バナー、『スパイダーマン』のピーター・パーカーなど。一説によれば、子供が覚えやすいようにWイニシャルを採用したとされている。
[X]
【X-MEN(X-MEN)】「デッドプール」もここから生まれた!
遺伝子の進化で超人的なパワーを得たミュータントたちで結成されたヒーローチーム。主催者がプロフェッサーXであり、“エクストラ”な力を持っているのでX-MENと呼ばれた。ここから生まれたウルヴァリンやデッドプールなどの人気キャラはファンが多く、スピンオフにもなっている。
関連作品:『X-メン』
[Y]
【イエローサン(Yellow Sun)】だからスーパーマンは空を飛べる!
スーパーマンの超能力の秘密は、彼の故郷の太陽の“レッドサン”と呼ばれる赤い太陽光線。地球の太陽は“イエローサン”と呼ばれる太陽光線。この光線の成分の違いがスーパーマンやスーパーガールの身体に作用し超人となったとされる。逆に地球人がレッドサンを浴びても特に影響はないようで、ちょっと残念。
[Z]
【ザック・スナイダー(Zack Snyder)】DCフィルムズの新キーマン
『マン・オブ・スティール』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を手掛け、これからのDCフィルムズにも大きく関わっていくとされる映画監督。過去には『300 <スリーハンドレッド>』や『ウォッチメン』の監督も務めていて、とにかくカッコいい映像を撮らせたらピカイチの腕前!
関連作品:『300 <スリーハンドレッド>』 『ウォッチメン』
イラスト:藤田翔
ライタープロフィール
杉山 すぴ豊
2002年の『スパイダーマン』公開時にサム・ライミ監督と対談したことをきっかけにアメコミ映画についての伝道活動を、WEB、雑誌、映画のパンフレット、イベント(六本木ヒルズ「スパイダーマン展」プロデューサー)等で展開。マーベル映画の最高責任者ケビン・ファイギに「これからのアベンジャーズ映画に、サノス出ますね?」と最初に直で聞いた人物として、海外のオタクメディアで紹介された。なお自分のアメコミについての文章が初めて世に出たのは、小学生のときに「月刊スーパーマン」誌に投稿した“ワンダーウーマンと結婚したい!”だった。
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