完成まで7年!オスカー候補作『セルマ』主演俳優のモチベーションとは?
第65回ベルリン国際映画祭
現地時間10日、第65回ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・スペシャル・ガラで上映された『セルマ(原題)』のエヴァ・デュヴルネ監督、主演のデヴィッド・オイェロウォ、コールマン・ドミンゴが会見を行った。本作はアカデミー賞で作品賞と歌曲賞の2部門にノミネートされている。
本作は、マーティン・ルーサー・キング牧師が黒人の投票権獲得のため、セルマで行ったマーチを描くもの。マーチに参加する一般市民の様子もストレートな感動を呼ぶ。デュヴルネ監督は「オプラ・ウィンフリーがふんしたアニー・リー・クーパーとか、名前が出てくる人はみんな実在の人なの」とリアリティーあるキャラクターの秘密を明かした。
構想から完成まで7年かかったという本作。キング牧師にふんしたオイェロウォは「時間がかかったのが、かえって良かった。その間に、コールマンと一緒に『リンカーン』にも出られた。その二つの映画で『僕たちはいつになったら投票できるんだ』と大統領に問うている。100年も間が空いているのに同じことを問い続けている。それが演じるエンジンともなった」とモチベーションを語った。
オイェロウォはまた「この映画にこれだけ時間がかかったのは、映画界が変化に追いつくのにそれだけかかったということだと思う」とコメント。「この映画が素晴らしいものになることはわかっていた。公式にベスト・レヴュー・フィルム・オブ・ザ・イヤーにもなった」と自信を見せていた。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第65回ベルリン国際映画祭は現地時間15日まで開催