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日本人監督が初の受賞者に!金熊賞のイラン人監督は出席できず

第65回ベルリン国際映画祭

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トロフィーを手に笑顔の瀬戸桃子監督
トロフィーを手に笑顔の瀬戸桃子監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 現地時間14日、第65回ベルリン国際映画祭授賞式が開催され、瀬戸桃子監督の短編『プラネット・シグマ(原題) / PLANET Σ』がアウディ短編賞を受賞した。今回、新設されたアウディ短編賞は、本映画祭が伝統とする短編で、大きなアートの才能を感じさせる作品の監督に贈られ、アウディから2万ユーロ(約280万円・1ユーロ140円計算)の賞金も出る。最高賞にあたる金熊賞はジャファル・パナヒ監督の映画『タクシー(原題) / Taxi』が受賞するも、パナヒ監督が参加することはかなわなかった。

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 アウディ短編賞初の受賞者となった瀬戸監督『プラネット・シグマ(原題)』はフランスからの出品。フランス在住の瀬戸監督は学生だった2008年に製作した『プラネット・エー(原題)/ PLANET A』がロカルノ映画祭などに、2011年製作の『プラネット・ズィー(原題)/ PLANET Z』が今回と同じベルリン映画祭短編部門に選出された。そして、マクロレンズを使ったシリーズ3作目で受賞となった。本作では昆虫が細密に映し出される。

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 授賞式のスピーチでは感謝を述べるにとどまった瀬戸監督は、受賞者会見で「期待していなかったので驚きました。賞にも慣れていませんし。名前を呼ばれたのが授賞式の最初でもあり、話そうと思っていたことを忘れてしまいました」と短い受賞スピーチの理由を明かした。短編部門では、3年前の第62回でも、同じくフランスから出品された和田淳監督の短編アニメーション『グレートラビット』が銀熊賞を受賞している。

 金熊賞獲得の『タクシー(原題)』は、イラン当局に映画製作を禁じられているパナヒ監督が、タクシー運転手にふんし、隠しカメラをタクシーに設置して乗客を撮る、ドキュメンタリー仕立てのドラマ。当局の監視下にあるパナヒ監督は出席することができなかった。授賞式では同作にも登場するかわいらしいめいが賞を受けるも、壇上で泣き出してしまい、審査員一同に励まされる場面もあった。だが、受賞者会見はなく、金熊のトロフィーだけが記者団の前に置かれた。

 なお、松山ケンイチ主演、SABU監督の『天の茶助』は受賞を逃した。

主な受賞作、受賞者は以下の通り。

金熊賞
『タクシー(原題) / Taxi』(ジャファル・パナヒ監督)-イラン

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銀熊賞-審査員賞
『ザ・クラブ(英題) / The Club』(パブロ・ラライン監督)-チリ

銀熊賞-最優秀監督賞
ラドゥ・ジュデ監督『アフェリム!(原題) / Aferim!』-ルーマニア、ブルガリア、チェコ
マルゴスカ・シュモウスカ監督『ボディ(原題) / Body』-ポーランド

銀熊賞-最優秀女優賞
シャーロット・ランプリング『45イヤーズ(原題) / 45Years』(アンドリュー・ヘイ監督)-イギリス 

銀熊賞-最優秀男優賞
トム・コートネイ『45イヤーズ(原題) / 45 Years』(アンドリュー・ヘイ監督)-イギリス 

銀熊賞-芸術貢献賞(カメラ)
ストゥーラ・ブランヅ・グロヴレン『ビクトリア(原題) / Victoria』(セバスチャン・スキッパー監督)-ドイツ
エフゲニー・プリヴィン、セルゲイ・ミハエルチュク『アンダー・エレクトリック・クラウズ(英題) / Under Electric Clouds』(アレクセイ・ゲルマン・MI監督)-ロシア、ウクライナ、ポーランド

銀熊賞-最優秀脚本賞
パトリシオ・グスマン『ザ・パール・ボタン(英題) / The Pearl Button』(パトリシオ・グスマン監督)-フランス、チリ、スペイン

アルフレート・バウアー賞
『イクスカヌル・ヴォルケーノ(英題) / Ixcanul Volcano』(ハイロ・ブスタマンテ監督)-グアテマラ、フランス

(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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