白人のみのアカデミー賞ボイコットへ…ウィル・スミス妻やスパイク・リーが表明
第88回アカデミー賞
第88回アカデミー賞の俳優部門にノミネートされた20人が全て白人だったことに抗議するため、ウィル・スミスの妻で女優のジェイダ・ピンケット=スミスが授賞式のボイコットを呼び掛けている。ノミネーションが発表された現地時間14日には「#OscarsSoWhite(オスカーは真っ白)」というハッシュタグがTwitterのトレンドに入るなど、2年連続で俳優部門に白人しかノミネートされなかったことが波紋を呼んでいた。
現地時間16日に、「オスカーでは、有色人種は賞を授与するプレゼンターとしては歓迎されるけど、芸術的な達成を評価されることはめったにない。有色人種は皆で授賞式に参加するのを控えるべき?」とFacebookにつづったジェイダ。アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者であるキング牧師をたたえたアメリカの祝日(18日)には動画を投稿し、「有色人種は、どれだけのパワー、影響力を培ってきたのかを知る時が来たんじゃないかしら。わたしたちはもう、招待を受けなければとこかに行けないという立場ではないでしょう」と熱くスピーチし、「認めてほしいと懇願すること、(ノミネートしてほしいと)求めること自体、威厳とパワーを損なってしまう。わたしたちは威厳のある人種です。わたしたちはパワフルな人種です。アカデミーは自分たちのプログラムを作り、わたしたちは違うことをしましょう」と呼び掛けた。
彼女の夫であるウィル・スミスは、映画『コンカッション(原題)』での演技が高く評価されて第73回ゴールデン・グローブ賞の男優賞にノミネートされたが、アカデミー賞でのノミネーションは逃している。
また、『マルコムX』『ドゥ・ザ・ライト・シング』など人種問題を鋭くえぐる社会派監督として知られるスパイク・リーも18日にInstagramで声明を発表。昨年11月にアカデミー名誉賞を授与してくれた映画芸術科学アカデミーに感謝の意を示した上で、「しかしながら、妻とわたしは2月の授賞式には出席しません」と明言。「2年連続で俳優部門の20名が全て白人なんて、どういうことだ? われわれは演技ができないのか?」と不満をつづり、アカデミー賞自体というよりも、有色人種をキャスティングしないハリウッドスタジオの上層部に問題があると指摘している。
ジェイダもリー監督も、アカデミー賞授賞式の司会者であるクリス・ロックに他意はないとコメント。クリスはノミネーションの発表を受け、「オスカーは、白人版のBETアワード(音楽界、映画界、スポーツ界などで活躍する黒人やマイノリティーを対象にした賞)だな」と皮肉のきいたツイートをしている。(澤田理沙、編集部・市川遥)