妻夫木聡×満島ひかり『愚行録』ベネチア映画祭に出品!
第73回ベネチア国際映画祭
妻夫木聡、満島ひかり出演の新作映画『愚行録』が、8月31日(イタリア現地時間)から開催の第73回ベネチア国際映画祭で、オリゾンティ部門に正式出品されることが決定。メガホンを取った石川慶監督にとって、長編映画デビュー作にして、世界三大映画祭に参加するという快挙となった。
『愚行録』は、「乱反射」「後悔と真実の色」などで知られる人気小説家・貫井徳郎の直木賞候補作を実写化したミステリー。未解決の一家殺人事件を取材する週刊誌記者(妻夫木)が、その思わぬ真相にたどり着く姿を追う。『悪人』で共演した妻夫木と満島に加え、小出恵介、臼田あさ美、市川由衣といった豪華俳優陣が顔をそろえている。
カンヌ、ベルリンと並んで世界三大映画祭に数えられる世界最古の権威あるベネチア国際映画祭への出品決定に、石川監督は「いろいろな人に支えられながら、必死で撮りあげた『愚行録』が、憧れのベネチア国際映画祭に選出され、その舞台で長編監督としてのスタートを切れる自分は、ほんとうに幸せ者だと思うと同時に、背筋が伸びる思いでいます」と切り出し、「支えてくれた素晴らしいキャスト、スタッフに感謝しかありません。そして、願わくば皆の思いがベネチアの観客に届きますように」と感慨深いコメントを寄せた。
一方、原作者の貫井は「試写を観たとき、これは世界で勝負できる作品だろうと直感しました。だから今回のベネチア国際映画祭への出品は、まったく驚きではありませんでした」と冷静に褒めたたえ、「世界でどのように評価されるのか、今はただただ楽しみです」と期待を膨らませた。本作は同映画祭をもって初お披露目となり、ワールドプレミア上映ということになる。
今回、出品が決定したオリゾンティ部門は、先鋭的で革新的な新しい映画を発掘することを目的とした部門で、2011年には塚本晋也監督の『KOTOKO』が部門最高賞を受賞。そのほかにも、故・若松孝二監督の『千年の愉楽』が2012年、園子温監督の『冷たい熱帯魚』『地獄でなぜ悪い』がそれぞれ2010年、2013年に同部門の上映作品に選出された。ロマン・ポランスキーを輩出したポーランド国立映画大学で演出を学び、これまで短編を中心に手掛けてきた石川監督。今後、日本を代表する映画監督としての活躍にも視線が集まりそうだ。(編集部・石神恵美子)
映画『愚行録』は2017年全国公開