小池百合子都知事、『不都合な真実』アル・ゴア氏に東京五輪CO2削減指針をアピール
第30回東京国際映画祭
3日、第30回東京国際映画祭の幕を引くクロージング作品に選ばれた『不都合な真実2:放置された地球』の舞台あいさつが、EX THEATER ROPPONGIで行われ、出演者であるアル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領と、対談相手として小池百合子東京都知事が登壇。小池都知事は、環境活動家であるゴア氏に向かって2020年の東京オリンピック・パラリンピックで予定している環境保護への取り組みを熱心にアピールした。
【映像】世界の現状が次々に…映画『不都合な真実2:放置された地球』予告編
同映画祭の審査委員長を務めたトミー・リー・ジョーンズ氏の声掛けに応じるようにステージに上がったゴア氏。「53年間もの友情を築いてきた」というトミーに対して、ゴア氏も「わたくしの旧友であるトミー・リー・ジョーンズに会えるとは思ってもいませんでした。彼とは長年の付き合いです」と返し、その友情の深さを見せる。
映画は、全米でドキュメンタリー映画史に残るヒットをたたき出した『不都合な真実』(2006)の続編。『不都合な真実』での地球環境問題への啓発活動が認められ、翌2007年にはノーベル平和賞も受賞したゴア氏が、今も世界を舞台に精力的に活動し続けている姿が映しだされる。
登壇し、ゴア氏は「まず東京国際映画祭に招待していただきありがとうございます」と感謝の言葉。続けてゴア氏は「そしてぜひ皆様にはこの映画を楽しんでいただきたいと思います。ぜひこの映画を観て、感じて、チャレンジとして受け止めていただきたいです」と聴衆に向かって呼び掛けた。
そして映画祭のクロージングセレモニーから参加していた小池都知事が、ゴア氏の対談相手として登場。小池都知事は「わたしは、ゴアさんは”地球を守る伝道師”だと思っております。映画を通じてより多くの方々に意識改革、わたしたちがこの地球を壊しているんだ、わたしたちがこの地球を守るんだということをさらに啓発していただきたいと思っております」とゴア氏に声を掛け、「東京都は2020年の東京オリンピック・パラリンピックの準備をしております。オリンピック・パラリンピック大会は地球を守るというメッセージを東京から発信するよいチャンスだと考えています」ともコメント。
さらに小池都知事は、「オリンピックの開会式・閉会式、パラリンピックの開会式・閉会式、この4日間につきましては、東京都がいち早く導入をいたしました都市型のキャップ&トレード方式でCO2の排出をクレジットとしてカウントしております。それを活用することによって、この4日間をCO2フリーの日とさせていただきます。またキャップ&トレード方式の導入で東京都は26%のCO2の削減に成功したことをお伝えします」とゴア氏に向かってアピール。「ちょうど東京から地球環境を守るというメッセージを伝えるいいチャンスだと思っておりますので、伝道師として世界に東京の試みをお伝えいただければ幸いです」とも述べていた。そんな小池都知事にゴア氏は握手で応えていた。(編集部・井本早紀)
『不都合な真実2:放置された地球』は11月17日公開