小島秀夫「デス・ストランディング」TGSで新映像公開 声優陣も集結
23日、幕張メッセで開催された東京ゲームショー2018内で、小島秀夫監督のPlayStation(R)4向けの新作ゲーム「DEATH STRANDING」(デス・ストランディング)のコジプロ・ステージイベントが行われ、小島監督のほか、津田健次郎、大塚明夫、井上喜久子、水樹奈々、三上哲ら日本語版声優陣が登壇。新映像も公開され、観客を興奮の渦に包んだ。
「デス・ストランディング」は、人気ドラマ「ウォーキング・デッド」のノーマン・リーダスをはじめ、レア・セドゥ、リンゼイ・ワグナー、マッツ・ミケルセン、映画監督のギレルモ・デル・トロらが出演する新作ゲーム。これまで小島監督の手による圧巻のトレイラーが複数本公開されているが、全体像はいまだ謎のベールに包まれている。
日本語版の本編収録は年末を予定しているというが、ノーマンの声を担当する津田は、トレイラーの収録時点で圧倒された様子で「作品の重厚感がすごい。予告編でもすごく丁寧に、時間かけて収録させていただきました」と興奮気味。一方の小島監督は以前から津田に目をつけていたといい、Twitterのフォローを経てDMで出演をオファー。津田について「決定打はドラマ版『リーサル・ウェポン』(の演技)でしたね。あと、スティーブ・マックイーンの吹き替えで知られる宮部(昭夫)さんの声に聞こえるときがあるんです」と語る。
そんな津田の演技に「間違いなかった! ノーマンでありつつ津田さんでもある。そこが重要」と満足そうな小島監督。大塚も「津田健次郎というのはすごい役者なんです。アニメでも吹き替えでも、無難に終わらずに、NGギリギリの芝居で攻めていく。さすが生き残るだけあるなと」と津田を賞賛していた。
またこの日は、大塚と三上の演じるキャラクターの情報も公開。大塚は、主人公が所属するチームの隊長(演:トミー・アール・ジェンキンス)を、三上は謎の“黄金仮面の男”(演:トロイ・ベイカー)を演じる。どちらのキャラも不気味な仮面を着けており、ゲーム内でも重要な役割を果たすとのこと。会場では、“黄金仮面の男”がボスキャラのような巨大モンスターを呼び出す新映像が、英語版と日本語版の両方で公開された。
井上はリンゼイの、水樹はレアの声を、デル・トロの声は石住昭彦が担当。また マッツ・ミケルセンの声優も決定しているといい、小島監督は「この2年探して、ようやく発見しました。まだ言えないけど。すごい重要な役です」と期待をあおった。
こうしたキャスティングの基準について小島監督は、実力はもちろんだが、相手の人格につきると断言。「それにつきます。最終的には、そこから出てくるものですから。僕らはそれを引き出す役。元が薄っぺらい人は無理ですよね。それと信頼関係が重要なので、そこを築くのに時間をかけます」と明かしていた。
そんな小島監督との仕事について大塚は「僕らがだいたいこうかな、と思うところで、あと一歩来てください、行ってくださいと言われるので、それが楽しいんですよね」と絶対の信頼を明かす。小島監督も「一緒に作っている感じです。僕の最初のイメージを強制して作っても面白くない。皆さんと一緒に作るというか、遊んでいる感じです」と笑みを浮かべた。
小島監督にとって、ゲームショーへの出演は2年ぶり。「ゼロから再スタートをしまして、企画をしながら事務所を探し、(ゲーム)エンジンを探し、スタッフを探し、引越しをして、ようやく今にいたるという感じです」と振り返ると、現在の制作状況について「僕が実際に朝から晩までコントローラーを握って、ゲームの操作感とか演出などを確認する、非常に重要なフェーズまで来ている」と報告。俳優協会のストライキの影響で、ノーマンらの収録ができない期間があり遅れが出ているが、それ以外は順調に進行しているとのことだ。
この日の会場は、ブースからあふれんばかりのファンでいっぱい。最後に「デス・ストランディングは前から言っているとおり、“縄”のゲームなんです。“棒”の世の中で、お互いに殴りあったり中傷しあったり、そういう世の中ですけど、 “縄”のつながりを持ちたいという発想で作っている」と切り出した小島監督は「作りながら、あらゆるものが絆でつながっているというか。皆さんともつながっている感があります。まだ完成していませんけど、皆さんとつながったままゲーム開発を続けて、いい物を作っていきたい。なので、もうしばらくお待ち下さい」とあいさつし、会場は大歓声に包まれた。(編集部・入倉功一)