ジェームズ・ガン監督『スーサイド・スクワッド』に救われた…解雇騒動振り返る
DC映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の公開が迫るジェームズ・ガン監督が、過去のツイートをきっかけにキャリアが危機に立たされた時期を振り返りながら、悪役チームの活躍を描く同作にキャリアと人生を助けられたと、Esquireのインタビューで語っている。
サメに萌える『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』予告編
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)の大ヒットで一躍トップクリエイターに上り詰めたガン監督は、10年ほど前にTwitterへ投稿した過激なジョークが発掘され、2018年にシリーズ第3弾から解雇。そのツイートが彼に敵対する右派によって掘り起こされたものであったこと、ガン監督が過ちを認めて謝罪していたことなどから、キャスト陣やファンから復帰を求める声が上がった。当時についてガン監督は、The New York Times のインタビューにおいて「全てを失った気がした。自宅を売りに出さなきゃ。二度と仕事には戻れないだろう。そんな気持ちだった」と振り返っている。
それから約1年後、ガン監督は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に復帰。そして、ディズニー/マーベルから離脱していた間、キャリアが危機に立たされていたガン監督に『ザ・スーサイド・スクワッド』をオファーしたのが、ライバルであるDC/ワーナー・ブラザースだった。
紆余曲折を経てマーベル映画とDC映画の双方でメガホンを取ることになったガン監督だが、『ザ・スーサイド・スクワッド』における自由な映画作りは、キャリアを守ること以上の意味があったようだ。「あのころの僕は、健全な状態とは言い難かった。自分のいる場所から飛び出す必要があったんだ。自分にとって、そんなに重要じゃないことにとらわれてしまっていた。でもこの作品のおかげで、そもそも僕が映画を撮る理由だった、純粋なクリエイティブ精神に立ち返ることができたんだよ。ほんの少し、忘れていたね」
同サイトでガン監督は「僕にとって人生とは、他の誰かと関りを持ちながら物語を語ること。それが僕の人生だ。この二つ以外のことは、たぶん愛犬をのぞけば気にしていない。僕にとって、人生はシンプルなんだ」とも語っており、これからも、自分が作りたい作品を手掛けることを信条としていくようだ。
『ザ・スーサイド・スクワッド』は、DCコミックスの悪役チームが、減刑をかけて命がけのミッションに挑むアクション大作。ガン監督はこれからマーベルで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』第3弾を手掛ける予定だが、The New York Times のインタビューにおいて、同作が最後のマーベル作品になる可能性を示唆している。
(編集部・入倉功一)
映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は8月13日より日本公開予定