もしもスタン・リーが『シャン・チー』にカメオ出演したら…?主演が明かす理想のプラン
マーベル・スタジオ製作の新作映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(9月3日全国公開)で主演を務めるシム・リウが、新ヒーローに抜てきされた心境やマーベル映画へのカメオ出演で知られた故スタン・リーについて、アジア各国向けのプレスデーで語った。
【画像】MCUトップクラスの肉弾戦!『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
本作でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に初登場するシャン・チーは、父シュー・ウェンウー(トニー・レオン)率いる犯罪組織テン・リングスで厳しい訓練を重ね、最強の力を手にしたヒーロー。父と決別したことで自らの力を封印し、新たな暮らしを楽しんでいたが、伝説の腕輪を操り世界を支配しようとする父の企みを阻止すべく、封印していた力を解き放つ。
シムがシャン・チー役として初めて公の場に登場したのは、2019年夏のサンディエゴ・コミコンだった。ホールHの舞台に立つ4日前にオファーを受けたシムは、「正気とは思えない瞬間だった」という当時の出来事をはっきりと覚えていた。「あれは、夜の6時半だった。昼寝からちょうど起きたところで、下着姿でエビ煎餅を食べていたんだ。すると、突然カリフォルニア・バーバンクの知らない番号から電話がかかってきて、心臓がドキドキしたのを覚えている。ミステリアスな声の正体は(マーベル・スタジオ社長)ケヴィン・ファイギで、『4日後、コミコンに来てほしい。みんなの前で新しいシャン・チーとして、君のことを全世界にアナウンスするよ」とこの役をオファーしてくれたんだ。僕の人生が大きく変わった瞬間さ」
ソー役のクリス・ヘムズワース、『エターナルズ』のアンジェリーナ・ジョリーやサルマ・ハエックなど、MCUの錚々たるキャストが集ったコミコンで自分の名前が呼ばれた時は「僕は1秒たりとも映画を撮影していなかったし、自分はここにいるに値しない」と不安な気持ちでいっぱいだった。しかし、撮影を終えたシムは「僕らはこの映画を撮影し終えたし、完成した作品を世界中のファンと一緒にシェアする準備ができているんだ」と自信に満ち溢れ、興奮を抑えきれないという。
マーベル・コミックでは1973年に誕生したシャン・チー。シムもキャラクターを理解するために原作コミックスを読み漁ったそうだが、監督のデスティン・ダニエル・クレットンからは「僕らは新しいキャラクターにしたいんだ」とMCU独自のシャン・チーを目指すように指示があった。「1970年代のコミックには、今だとうまくいかない要素がある。コミックにおけるシャン・チーはとてもシリアスで、どちらかというと、人間味が薄いキャラクターだった。だから僕らは、全く新しいキャラクターやストーリーを作り出せることにとても興奮したんだ。家族についての物語をつづった方が、原作に忠実であるよりもっと重要だと思ったよ」
マーベル映画といえば、2018年に亡くなったスタン・リーさんのカメオ出演も楽しみの一つであった。「もしスタン・リーさんが生きていたら、映画のどの部分にカメオ出演すると思いますか?」と問われたシムは、シャン・チーがテン・リングスの刺客と戦うバスの運転手がピッタリだと回答している。「彼があのバスの運転手だったら嬉しいね。哀れなバスの運転手は、なにが起ころうとしているか全く知らずに、サンフランシスコの中でバスを運転しているんだ。そしたら突然、手に鉈をつけた男があらゆるものをぶった斬り始める。スタンがカメラを見て『なにが起きているんだ!』と一言叫ぶのは、とてもいいと思う」
シャン・チーとしてMCU入りを果たしたシムが、将来的にアベンジャーズのヒーローたちと共演する可能性も十分あり得る。「MCUのヒーローたちには、彼ら独自のユーモアのセンスがあって、独自の相性がある」と既存のヒーローたちについて語ったシムは、「シャン・チーが彼ら全員とやりとりするシーンを想像するだけで、とても興奮しているし、シャン・チーは彼らとうまくやれそうな感じがするよ」と目を輝かせていた。(編集部・倉本拓弥)