『THE FIRST SLAM DUNK』内容はどうなる?勝手に大予想!
人気漫画「SLAM DUNK」(スラムダンク)を新たに映画化するアニメ『THE FIRST SLAM DUNK』の公開が12月3日に迫る中、ストーリーはいまだ謎のまま。どのような内容が描かれるのか、勝手に予想してみたい。(以下、短編「ピアス」のネタバレを含みます)
【動画】映画『THE FIRST SLAM DUNK』最新予告映像
1990年から1996年にわたって「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、25年以上経っても圧倒的な人気を誇る伝説的漫画「SLAM DUNK」(スラムダンク)。2021年1月に映画化されることが発表されると、ファンは騒然。8月には作者・井上雄彦が監督・脚本を務めることが発表され、湘北メンバーが円陣を組むビジュアルが公開された。そして12月にはこぶしを交わすティザーポスターが解禁され、それらの画像を基にしたストーリーの考察が盛んになった。2022年7月にはタイトル、特報、公開日が明かされ、10月には本ポスター、そして11月4日には湘北高校バスケットボール部の主要メンバー5名を演じる声優陣、エンディング主題歌・劇中音楽の担当アーティスト、意味深な最新予告編が公開された。
劇場公開まで1か月を切ったが、ストーリーの詳細はいまだ明かされないままだ。ということで、いまわかっている情報から勝手に予想(妄想)してみたい。まず注目したいのは、グータッチを交わすティザーポスター。よく見ると、左側の手が幼く見えてこないだろうか……。これはもしかして、少年? とするとこれは、湘北バスケ部誰かしらの過去を描くストーリーになるのではないかという予想が立つ。そしてタイトルを見ていただきたい。『THE FIRST SLAM DUNK』。「FIRST」=最初の、という意味であればやはりエピソード・ゼロの可能性が高くなる。
では、誰の過去を描くのか? ここで注目したいのが、本ポスター。中心にいるのは、宮城リョータだ。そして、公式インスタグラムを見ると……キャラクターポスターで最初に紹介されているのはリョータ。ムビチケカードの告知画像はトップ(一番左)がリョータ、座席指定券販売の告知画像はセンターがリョータ。これらの情報から察するに、『THE FIRST SLAM DUNK』は宮城リョータを主人公に据え、彼の過去を描いた物語になるのではないか。
11月4日に公開されたばかりの最新予告編で、妄想は確信へと変わる。まず映し出されるのは、ストリートバスケをする少年たち。小柄な少年が華麗なテクニックでシュートを決める姿が描かれている。小柄=リョータと決めつけるのは早計だが、次のカットを見てほしい。島が映し出され、砂浜を全力疾走する男の姿が……このヘアスタイルと圧倒的なスピード、これは間違いなくリョータだ! そして次なるシーンは、リョータの表情のアップ。湘北メンバーと円陣を組み「オレたちならできる」と鼓舞し、試合シーンの最後もリョータの顔のアップで締められる。現時点での結論はもう、「宮城リョータの物語で確定」と言わざるを得ない。
と、ここで強力な根拠をもうひとつ提示させていただこう。連載終了後に発表された、井上雄彦の幻の短編と呼ばれている39ページの読み切り漫画「ピアス」だ。実はこの作品、リョータ(と湘北バスケ部マネージャーの彩子)の過去編といわれており、『THE FIRST SLAM DUNK』の最新予告編に登場する島と酷似した島が舞台なのだ。なお、以降の文章は「ピアス」の結末に触れるため、ご了承いただいたうえでお読みいただきたい。
「ピアス」に登場する少年りょう(読み切りの最後で本当は「りょうた」と判明)は、海辺で出会った少女(こちらも最後に「あやこ」と判明)に、「3年前に釣りに行った兄がまだ帰ってこない」と明かす。彼は釣りに連れて行ってくれない兄を最後に罵倒してしまったことをずっと悔やんでいたのだ……。これがリョータのことだとしたら、これは完全にビンゴ。『THE FIRST SLAM DUNK』は、宮城兄弟の物語が描かれるに違いない。そう思って最新予告のストリートバスケシーンを観返すと、コート側でディフェンスする人物がリョータの兄にそっくり。
そして、「ピアス」の劇中では確認できなかったが、『THE FIRST SLAM DUNK』最新予告のリョータの兄(と想定される人物)の手には赤いリストバンドがはめられている。ここからは筆者の妄想だが、この赤いリストバンドが亡き兄の形見であり、インターハイ出場を決めたリョータがそのリストバンドを身に着けて亡き兄を全国の舞台へ連れて行ったのだとしたら……。想像するだけで泣けてしまうし、「ピアス」と『SLAM DUNK』をつなぐエピソードを含んだ最強の“公式解答”が完成することになる。
ここでもう一度『THE FIRST SLAM DUNK』の本ポスターを見てみると、桜木花道が赤と黒のバッシュを履いている。湘北カラーのこのバッシュは、IH(インターハイ)出場に際し、花道がスポーツ店の店長から激安で購入したもの。となればやはり本作のメインのストーリーはIH出場以降になるのではないか。そう思う理由には、実はテレビアニメ「SLAM DUNK」ではIH編が描かれていないから、ということもある(最終話第101話は、IH会場に出発するシーンで幕を閉じる)。
いままでアニメでは描かれていなかったIH編がついに描かれ、そこにリョータの過去編も絡んでくるストーリー……井上は公式ブログのなかで「昔、30年前には見えなかった視点もあれば、連載中からあったけどその時には描けなかった視点もあります。それらのいくつかが生かされたという意味で、今回の映画は新たな視点で描いたスラムダンクと言えます」と綴っている。とするとひょっとしたら、リョータ以外のメンバーのマル秘エピソードも新たに盛り込まれたりして……。12月3日、すべての謎が明かされる“試合開始”の瞬間を心して待ちたい。(文・SYO)