『タイタニック』は格差を描いた…ジェームズ・キャメロン監督が25年を経た「今なおタイムリー」と語る理由
映画『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』が2月10日より2週間限定で劇場公開中だ。『タイタニック』はアカデミー賞作品賞を含む11部門受賞を果たし、日本でも洋画および実写映画として最大のヒットとなる興行収入262億円を稼ぎ出した人気作。ジェームズ・キャメロン監督がそんな本作のテーマについて、「今もタイムリーだと思います。むしろ、今の方がもっとタイムリーと言っても良いかもしれません」とあらためて語った。
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1912年に起きた豪華客船タイタニック号の沈没事故を映画化した『タイタニック』のテーマの一つとして、「格差」を挙げたキャメロン監督。「持つ者と、持たない者。生き残る人と、死ぬ人。タイタニック号の三等船室に乗っていた男性客はほとんどみんな死んだんですよ。女性と子供の半分も死にました。一等船室では、半分の男性が死に、一人か二人を除いて女性と子供はみんな生き残っています。そこには明確なものがあります。何か危機が起きた時、貧しい人に何が起こるのか。そして金持ちには何が起こるのか」
「今、わたしたちは、新たな危機に直面しています。地球温暖化です。このことについては、何年も前から警告されてきました。それが今、真っすぐこちらを襲ってきています。もはや船の方向を変えることはできません。(タイタニックが直面した)氷山と同じです。わたしたちはそこにガツンとぶつかります。その時、一番苦しむのは誰でしょうか? 貧しい国です。この問題を引き起こした豊かな国ではなくてね」
「タイタニックでは、金持ちの乗客が早くニューヨークに着きたいと騒ぎました。船長とオーナーは大事なお客様の要望に応え、その結果沈没となったのです。そのせいで貧しい人が苦しむ羽目になりました。今、同じことが地球規模で起きようとしています。金持ちが人類の文明の進化のペダルを踏んだせいで。わたしたちは、正面から氷山にぶつかろうとしています。その時に一番苦しむのは貧しい国。金持ちは逃げおおせるでしょう。彼らはいつもそうしてきました」と、本作がなぜ「今の方がもっとタイムリー」なのかを説明した。(編集部・市川遥)
映画『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』は2月23日まで上映中 ※一部劇場を除く