CG映画『バイオハザード:デスアイランド』レジェンド主人公集結はベストなタイミング!原作Pもうらやむ完成度
カプコンの人気ゲーム「バイオハザード」シリーズのゲームプロデューサーでスーパーバイザーの川田将央が、7月7日に公開された、CG長編映画『バイオハザード:デスアイランド』で実現した歴代主人公の豪華共演について、シリーズの展望と共に語った。
通算5作目となる『バイオハザード』のCGアニメーション最新作。『海猿』シリーズの羽住英一郎が監督を務め、ジルを筆頭に、レオン、クリス、クレア、レベッカという、ゲームの歴代主人公が集結し、監獄島アルカトラズで進行する大規模バイオテロに立ち向かう。ゲームでも実現していないレジェンドキャラの集結について、川田は、映画だから実現した豪華共演だったと語る。
「単独で主人公になれるキャラばかりなので、そこまで出さなくても……という意見もあったのですが、CG作品も5作目となると、新鮮味がないと映画という大きな枠の魅力にはつながらない。ここまでレジェンド級キャラばかりだと、誰に焦点をあてるのかという点も難しくなりますが、今回は、それをCG映画初登場のジルに集約したことで、まとまりもできた。ゲームではできていないキャラクター集合を、約90分の映画の中で見事に収めていただいたので、そこは少し悔しさというか、うらやましいと思った部分もあります。ゲームでもやった方が良いのかな?(笑)」
「ただゲームの場合、お客様はいかにして登場人物になりきるのかという体感性に重きを置くことになると思うので、たくさんキャラが出るよりもそちらを優先することになりますし、映画のように映像で見た方がインパクトも強い。今回は、ゲームと映画の違いを明確にしつつ、ゲームが好きな人が観たいと思えるものにより近づけたのではないかと思います」
映画の時代は、ゲームシリーズ「バイオハザード6」と「バイオハザード7 レジデント イービル」の狭間に位置する2015年ごろ。シリーズファンでもある脚本家・深見真(『 PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズ)が、5人が集結するにはここしかないというタイミングを見出した。川田も深見の手腕を絶賛する。
「やはり長い歴史がありますし、キャラクターも歳をとっていくので、どこで集結させるのかは本当に難しいところでした。深見さんもすごく苦労されたと言っていましたが、流石にゲームをずっとやられているだけあるなというタイミングで、本当にすごいなと思いました」
「もちろん、ここまでの作品になったのは、羽住監督のお力があってこそ。アクションの比重が大きい作品ですが、レオンのバイクアクションであったり、キャラクターの個性を出しつつ、彼らが一つの強大な敵に立ち向かうという構成が見事にハマった。どのアクションも実写のような重さがあって、非常にバランスの良い映画に仕上がったと思います」
ゲームのCG映画化作品といえば、現在『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が全世界で空前のヒットを記録中。川田は、『バイオハザード:ディジェネレーション』を皮切りに2008年からCG映画を制作している『バイオハザード』にも、大きな可能性が広がっていると語る。「任天堂さんの『マリオ』も、CGで表現することで、皆さんの好きなマリオのイメージに近い映画ができたのではないかと思います。それと同じことは『デスアイランド』にも言えると思いますし、コアな海外ファンから、今回の作品を楽しみにしているという声も聞いています。今すぐというわけにはいきませんが、この作品が受け入れられていけば、さらに大きなプロジェクトになっていく可能性は十分にあるんじゃないでしょうか」
1996年に誕生して以来、日本を代表する人気シリーズとなった「バイオハザード」。30周年が迫るなか、川田はさらなるシリーズの発展を目標に据えている。「原作をプレイしたことのない方が、映画のおかげで『バイオハザード』の世界を知ってくれている場合もあったりするので、ゲームの方もさらに知名度を上げていきたいですね。2026年に30周年を迎えるので、それまでに大きな盛り上がりを作りたいと思っていますし、ゲームや映画、さまざまなメディアを通じてトータルで盛り上げることで、これからも『バイオハザード』の世界を残していきたいです」(編集部・入倉功一)
映画『バイオハザード:デスアイランド』はEJアニメシアター新宿ほか全国公開中