アンチャーテッド (2022):映画短評
アンチャーテッド (2022)ライター4人の平均評価: 3.5
“美女と冒険”で男になるトムホ
「ゲーム版」より若い設定の主人公・ネイトだが、製作総指揮も務めるトム・ホランドが一人でネクタイ結べないわ、バーテンのくせに高級ワインの飲み方を知らないわ、船舵握るなりジャック・スパロウを真似るわと、母性くすぐりまくり。そんなトムホを『ゾンビランド』でジェシー・アイゼンバーグを男にしたルーベン・フライシャー監督が、今度も“美女と冒険”で男に変えていく。脚本の粗さは否めないが、王道アドベンチャー・アクションな展開は、どこか懐かしさもアリ。また、テーマ曲や小道具など、随所に「ゲーム版」へのリスペクトを感じさせるが、そこでネイトの声を担当するノーラン・ノース登場には思わずニヤリ。
鉄板アドベンチャー
アドベンチャーゲーム原作のトレジャーハンター映画。乗りに乗っているトム・ホランド主演、しかも監督がルーベン・フライシャーということで、安心して楽しめるお宝さがしアクション映画。
シンプルに楽しかったです。いい意味で頭を使わないでただただ映画を浴びるようにしていればいい映画です。2時間弱で収まっていることも考えると意外とコロナ以降の映画では貴重な存在と言えるでしょう。
諸々事情があったとはいえ、もう少し手厚く時間をかけた宣伝をして映画ファン、トム・ホランドファンに訴求して欲しかった…。
後追いながらも応援のために☆一つプラスです。
インディ・ジョーンズよりも、スパイダーマンよりも軽やかに!
『インディ』『パイレーツ』など秘宝アドベンチャーの魅力をふんだんに盛り込み(実際にセリフで作品名をパロったりも)、『ダ・ヴィンチ・コード』のような暗号解読も混ぜ、既視感のないアクション快作に仕上がった。冒頭の突発的な超絶シーンから、クライマックスバトルまで、スペクタクル演出にチャレンジ精神が溢れる。
何よりトム・ホランドが自分の持ち味を理解してるかのように全身演技で好印象。スパイダーマンを重ねたくなる、壁登りや相手との追いかけっこを観るにつけ、一人の俳優の個性を楽しむという、映画ファン向けなアピールを実感。バーテンダーの軽やかな所作や、周囲から“いじられる”姿も含め、トムホSHOWな味わい。
何も考えず、ライドに身を任せよ!
人気ゲームを『ゾンビランド』のR・フライシャーが映画化。なるほど、これはとんでもなくアップテンポだ。
絵もセリフもとてつもない情報量、それでいて整然と観客に理解させるフライシャーの流儀が、ここでも生きる。絶好調のトムホにジョークや皮肉、まっとうな主張など多彩なセリフを言わせつつ、しっかりキャラを魅力的に見せるのが巧い。
ストーリー展開の高速度ゆえ、ドラマがほとんど頭に残らないという欠点はある。が、何も考えずに楽しめるという点では娯楽映画の鑑。“フツー、死んでるって!”というツッコミも許さない漫画的なアプローチも、この速度では俄然、生きる。