ONE PIECE FILM RED (2022):映画短評
ONE PIECE FILM RED (2022)ライター2人の平均評価: 3.5
観るなら絶対巨大スクリーン、良い音響の劇場で
エンターテイメント性を押し出した「FILM」シリーズらしく、前半はAdoの歌唱シーンでグイグイ押しまくる。音楽中田ヤスタカ、振り付けMIKIKOによる圧巻のライブシーンを堪能するなら、ぜひ巨大スクリーン、音響の良い劇場で。これまでほとんど姿を見せなかったシャンクスと赤髪海賊団の登場など、来るべき本編の最終章への伏線にもなっており、『ONE PIECE』ファンなら見逃せない。ストーリーはシンプルなれど、これまでの劇場版のようにわかりやすい悪役が登場せず、構成は少し複雑。ハイカロリーなクライマックスのアクションはド迫力だが、ルフィたち麦わらの一味の爽快な活躍を楽しみたかった人は少し消化不良かも。
“参戦”すべきフェス映画
間違いなく「マクロス」のミンメイから『竜そば』のBelleに至る歌姫キャラ(+「プリキュア」)がベースなヒロイン・ウタだが、Adoが歌うクオリティ高すぎな7曲が全編を彩るミュージカルとして、音楽フェス(フェス飯はサンジ担当!)として振り切った感が、とにかく新鮮! オリジナルキャラが物語をかき回す、本筋と一線を画す「劇場版」の醍醐味&ケレン味たっぷりで、『コードギアス』シリーズの谷口悟朗監督による意欲作といえるだろう。さらに、ウタの父として登場するシャンクス、ヤソップ/ウソップの父子コンボなど、原作ファンの胸躍らせる展開も用意され、スクリーンで“参戦”すべき仕上がりになっている。