走れ!走れ走れメロス (2022):映画短評
走れ!走れ走れメロス (2022)「はじめてのおつかい」級の展開。東京での劇場公開はあと2日。
演劇部顧問である担任に誘われ、初めて舞台に挑んだ島根県の高校生男子4人をカメラは追う。演目は独自のアレンジを施された太宰治の『走れメロス』。始まりはNHKの折り目正しい番組っぽい作りだが、2021〜22年、コロナ禍の「不要不急」の空気に抗った若人たちの胸熱なドキュメントへと加速してゆく。
無観客の地区大会。全国出場を得る本校と、彼ら分校との明暗……からの、まさかの演劇の街・下北沢へ。その果てには「はじめてのおつかい」級の予想外の展開が待っている。出演者のひとり、曽田昇吾くんは今後、本格的に役者を目指すという(4月から文学座の研究生に!)。折口慎一郎監督は続編を製作中、“ドラマ”は終わらない。
この短評にはネタバレを含んでいます