バジーノイズ (2024):映画短評
バジーノイズ (2024)ゼロ年代の空気をまとった、リアルタイムの音楽映画
『ソラニン』を思い起こさせる音楽映画としてのクオリティの高さに加え、低体温ながら抜群のエモさ。導入部こそ、コミュ障男子とメンヘラ女子の奇妙奇天烈な話にしか見えないかもしれないが、いわゆるコミック原作の実写化としてのリアリティはキープ。とにかく、海と空の情景に相まって、DTMによるサウンドが心地良いのだ。実際の天然キャラとは異なる主人公の繊細さを表現した川西拓実と、彼をしっかりサポートしつつ、要所要所でヒロインとしての輝きを放つ桜田ひより。ほかにも、違和感がないキャスティングにも引き込まれるものの、音楽プロデューサーのラスボス感がイマイチだったことが惜しまれる。
この短評にはネタバレを含んでいます